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2015年08月17日

特定行為研修を修了した看護師の役割とは?|どうなる?「特定行為研修」

【日経メディカルAナーシング pick up】

 

「特定行為研修を修了した看護師の役割は何か――」。

7月20日に全日本病院協会(全日病)が都内で開催した「看護師特定行為研修指導者講習会」で、こんなディスカッションが行われた。医療チーム内の調整役やタイムリーにケアを提供する役割などを担うことで、医療の質向上につながるといった期待の声が寄せられたほか、“ミニドクター”ではない、看護の専門性を踏まえた上での役割発揮の重要性などが語られた。 

(井田恭子=日経メディカル)


 

今年10月から開始される「特定行為に係る看護師の研修制度」(以下、特定行為研修)では、指定研修機関において適切な指導体制の確保が求められており、指導者は、研修に必要な指導方法などについて講習を受講することが望ましいとされている。

 

この日の講習会は、全日病が厚生労働省から指導者育成事業の実施団体として選定を受けて開催したもの。指定研修機関やその協力施設への申請を検討中の大学や医療機関などから、指導的立場にある看護師・医師など計56人が参加した。

大学教員のほか、大学病院や民間病院、診療所の院長、看護部長、看護師長など参加者の役職はさまざまで、特定行為研修の試行事業に参加した看護師の姿もみられた。

 

講習会のプログラムの一つとして行われたグループディスカッションでは、参加者が、KJ法を用いて特定行為研修を修了した看護師の役割を話し合った(写真1)。

 

「指導者講習会」開催風景

写真1 「指導者講習会」開催風景

グループでアイデアを募り意見をまとめる「KJ法」を用い、特定行為研修修了者の役割を議論した。

 

その結果、期待される役割として、多職種連携の調整役、患者の重症化予防や急変時の迅速な対応、在宅患者・家族のサポート役として病院と在宅をつなぐ連携者としての役割――などが挙がった。

それらを通じて安心な医療の提供、医療の質の向上につながること、同時に、医療費のコスト削減や医師の負担軽減にもつながるなどの意見が出された(写真2)。

 

看護師のロールモデル、指導者としての役割にも期待の声が寄せられた。

“ミニドクター”ではなく、看護師としての能力と専門性を高めた実践者として頑張ってほしいとの意見が多く挙がり、そうした研修修了者の活躍が看護師の卒前・卒後教育にも影響を与え、看護そのものの役割の見直し、役割拡大につながると言った意見もあった。

 

KJ法を用いてディスカッションした成果の一例

写真2 KJ法を用いてディスカッションした成果の一例

 

「特定行為研修について、『動脈穿刺ができる』とか『インスリン量の調整ができる』など、『特定行為ができる看護師を養成する』と認識している人は、看護師の中にも多いかもしれないが、ここでの議論を通じて、看護師の専門性やアイデンティティーを活かして、チーム医療を推進していくということを忘れずに指導する必要性を再確認した」。

参加した医師の一人は、こう感想を述べた。

 

また、特定行為研修の受講者として、厚労省は「概ね3~5年以上の実務経験を有する看護師」を想定しているが、これらの役割を担うに当たっては

「3~5年では少ないと思う。勉強することと実践がリンクしないとまずいのではないか」といった意見も出された。

 

「10年間で10万人以上養成」を改めて強調

講習会ではこのほか、医師の卒後臨床研修に従事する医師が講師役を務め、仕事の教え方やフィードバック技法などに関する研修を行い、参加者は、特定行為初心者に技能を安全・効果的に教えるためのコツなどについて学んだ。

 

また、冒頭では、厚労省医政局看護課長の岩澤和子氏が特定行為研修の概要について講演。

「チーム医療の推進において、看護師に期待されている役割を果たすための能力の開発を、特定行為研修で担保していきたい」と語り、研修の想定受講者数について、「2025年までに二桁万人、最低で10万人に受けてもらいたい」と改めて強調した。

 

全国に勤務する看護師(約110万人)のうち10%弱が研修を修了すれば、医療現場に大きく貢献できるとの試算で、「eラーニングの活用により、多くの看護師の受講が可能になるが、(研修には)実習が必要であり、皆さんの所属機関が協力施設になって指導して頂きたい」と講習参加者に協力を求めた。

 

厚生労働省の岩澤和子氏

「2025年までに二桁万人、最低で10万人に受けてもらいたい」と話す厚生労働省の岩澤和子氏。 

 

講習会は、今年度中にさらに全国7カ所(金沢、札幌、仙台、大阪、名古屋、福岡、広島)での開催を予定している(詳細はこちらを参照:特定行為研修指導者講習会の開催について)。

 

 

<掲載元>

日経メディカルAナーシング

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