1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. 車いすの看護師―仕事も人生も自分で勝ち取り続ける女性の話

2015年06月06日

車いすの看護師―仕事も人生も自分で勝ち取り続ける女性の話

今回は、17歳の時にけがによって麻痺を負い、車いすを使用する生活を送ることになった女性が主人公です。

彼女は、「自分の人生までも麻痺させるわけにはいかない」と看護師になる夢を諦めずに看護学校を卒業し、現在はノースカロライナのローリーにある中央刑務所に勤めています。ここに至るまで、どのような道をたどってきたのでしょうか。

 

 

とにかく前向きで努力家

ラティシア・アンダーソンさんは、車いすで看護業務をこなす自らを「車いすの看護師」と呼んでいます。

理解のない人たちは「足が動かないのに厳しい看護業務が務まるわけがない」「麻痺のある看護師なんて成功しない」と口々に言ったそうですが、彼女は見事に彼らを驚かせることができたのです。

 

CPRも難なくこなして看護学校を卒業し、看護師としてのキャリアをスタートさせたアンダーソンさん。オンラインの授業を通して大学院の学位も獲得しています。

その成功物語は、看護学校の機関誌にも大々的に取り上げられるほどだったそうです。

 

Latisha Andersonさん

 

彼女の首には、17歳の時に流れ弾によって受けた傷跡が残っています。このけがが原因で麻痺を負うことになったのです。体の自由が利かなくなることは心身ともにつらいはずですが、夢の実現のために前向きに努力してやり遂げてしまうところに、アンダーソンさんの思いの強さが表れています。

 

自分の人生まで麻痺させたくない!

アンダーソンさんが下半身麻痺の状態であるにもかかわらず、看護師を志した理由はいったい何だったのでしょうか?

 

きっかけは、あるとき目にしたひとつの新聞記事でした。

 

下半身麻痺の看護師、車椅子で働く

 

そこに載っていたのは、交通事故で下半身麻痺になったあと、看護師として働き始めた男性の話。彼は、車いすに乗りながらCPRもこなし、ICUで活躍しているということでした。

アンダーソンさんは彼に連絡をとりましたが、その時、「必要なものはただひとつ。スタンドアップ式の車いすです」と言われたそうです。

 

勤務の初日に「あなたを雇うことはできません」と言われ…

そのような経緯で看護学校に通い始め、卒業後にいくつかの病院での勤務を経験します。

そして現在はノースカロライナにある中央刑務所に勤務するアンダーソンさんですが、実はすぐにそこで働けるようになったわけではありません。

初日に出勤すると、「あなたを雇うことはできません」と早々に返されてしまいました。

しかし、アンダーソンさんはここで収まりません。彼女は、この一件について役所に苦情を申し立て、ようやく看護師として仕事ができるようになったそうです。

 

自ら権利の擁護者としての役割も

アンダーソンさんは、看護学校への進学のために必要なGED(アメリカの高卒認定試験)の修了を目指していた時、通学にバスを利用していました。雨や雪のなかでもバス停で待ち続け、車いすで1日に3度もバスに乗っていたそうです。

そんな大変な思いをしながら乗ったバスでも、アメリカでは設置されていることの多い車いすリフトがないこともあり、その度にワシントンD.C.に直接電話で苦情を訴えたといいます。

 

このようなケースでは、きっとアンダーソンさんだけでなく、リフトを必要とする多くの人が不便や不平等を感じているはずです。

彼女は泣き寝入りするのではなく、自分たちに必要と考える権利を主張し続けました。これも彼女のたくましさがあってのことかもしれません。

 

自分で車を運転し、どこへでも行く。不便があれば自分で苦情を申し立てる。

 

アンダーソンさんは、悪天候であっても車を運転して出かけ、車いすで駆けつけます。その様子を見て助けを申し出る人もいますが、自分の力でいろいろなことを乗り越えてしまう彼女には助けは不要なのです。

 

つらい経験も成長の糧とし、どんな逆境も自ら乗り越えてきたアンダーソンさんの挑戦はこれからも続いていくに違いありません。

 

 

(文)A.Brunner

(参考)Nurse in wheelchair serves as a rolling healer

 

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(1)

1匿名2015年10月05日 18時15分

ガッツがありますね。感動。

関連記事

いちおし記事

同期との関係~新人ナース~|マンガ・病院珍百景

友達?ライバル?仲間?…同期との距離感ってどのくらい? [ 記事を読む ]

SaO2低下でも酸素濃度を上げてはいけないのは、どんなとき?

振戦、痙攣など中枢神経障害が起こることも…! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

あなたのハマっている沼は何?

投票数:
1437
実施期間:
2019年09月03日 2019年09月24日

旅行のおすすめスポットある?

投票数:
1322
実施期間:
2019年09月06日 2019年09月27日

学生時代の実習、国試勉強との両立はうまくできた?

投票数:
1197
実施期間:
2019年09月10日 2019年10月01日

SNSで嫌な気分になったことある?

投票数:
1120
実施期間:
2019年09月13日 2019年10月04日

あなたの職場ならではの「隠語」ってある?

投票数:
362
実施期間:
2019年09月20日 2019年10月11日

ナースの現場、気が利くで賞!

投票数:
903
実施期間:
2019年09月17日 2019年10月15日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者851

筋肉注射についての説明で、正しいものは以下のうちどれでしょうか?

  • 1.急速に薬効を期待する場合には静脈注射や皮内注射ではなく、筋肉注射を選択する。
  • 2.繰り返し筋肉注射で薬剤を投与する場合、もっとも筋層が厚い大腿部を用いることが推奨される。
  • 3.注射部位に三角筋を選択する場合は、45~90度の刺入角度で注射する。
  • 4.薬液は1秒/mLで速やかに注入し、刺入部は1~2分程度マッサージを行う。
今日のクイズに挑戦!