「眠らない日本人」は肥満・がん・自殺が増える・・・実は怖い「睡眠不足」を考える

3月18日は「世界睡眠デー」。日本は世界でもっとも睡眠時間の短い国の1つだというのはご存じでしょうか?

 

ネコはよく眠ります

 

一番長いフランスと比べて、その差はなんと1時間。翌日の頭痛やだるさだけでなく、深刻な健康被害につながることがわかっている睡眠不足。肥満や糖尿病高血圧などの生活習慣病のほか、うつ病や自殺のリスクを高めるともいわれています。

 

日本人の平均睡眠時間はどんどん短くなっています。総務省によれば、働く日本人の睡眠時間は7時間25分(2011年度)。1976年には8時間1分だったのと比べると、ここ40年ほどで30分以上も短くなっています。

 

平均睡眠時間の推移

【画像出典】9月3日:秋の睡眠の日|なるほど統計学園(総務省統計局)より引用

 

 

日本の睡眠時間は世界ワーストレベル

日本の睡眠時間は世界ワーストレベル

【画像出典】年齢階級別睡眠時間(平成13年,18年)| 社会生活基本調査(総務省統計局)より引用

 

 

年代別でみると、10代と70代以降では平均よりも長い睡眠時間を取れているようですが、30~50代の働き盛りでは、男女ともに平均以下の睡眠時間。もっとも短いのは40代で、男性6時間43分、女性6時間28分です。(NHK放送文化局研究所調べ)

 

OECDの調査によると、世界各国と比較した睡眠時間で日本は7時間50分と、ワースト2位(総務省調査とは方法が異なる)。ワースト1、もっとも睡眠時間が短い韓国(7時間49分)と1分しか差がありません。

 

睡眠大国・フランスでは9時間もベッドで過ごす

反対に睡眠大国ともいえるのはフランスで、平均して8時間50分で、実に9時間近くをベッドで過ごしていることになります。

 

睡眠不足は昼間の眠気やだるさにつながるだけでなく、深刻な健康被害につながることがわかっています。血圧血糖、血清トリグリセライド値(中性脂肪)値を上昇させるため、高血圧や糖尿病、高血圧症を引き起こします。また心筋梗塞などのリスクも高まります。

 

睡眠不足でがんや肥満、自殺のリスクも

 

睡眠不足のリスク

・高血圧や糖尿病、高血圧症などの生活習慣病

・免疫力低下による感染症

がんの誘発・増悪因子

・満腹ホルモンの減少による肥満

・記憶・集中力低下

・うつ病、自殺の増加

 

免疫力低下につながることから、感染症にかかりやすくなるほか、がんのリスクが高まるともいわれています。

 

睡眠不足によって満腹感を感じさせて食欲を抑制するレプチンというホルモンが減少する一方で、空腹感を感じさせるホルモンであるグレリンが増加するため、肥満にもつながります。記憶力・集中力を低下させるために事故のリスクや仕事の生産性、学生なら学業の能率低下も招きます。

 

さらに、うつ病とも強い因果関係があることがわかっています。うつ病患者のうちでも不眠傾向が強いほど、自殺の危険性が高くなります。

 

睡眠障害のコスト、年間5兆円

健康面への悪影響が大きい睡眠不足。経済的側面からの調査結果もあります。オーストラリアの調査では、睡眠障害に関係する1年間のコスト(医療費、事故等の損失、生産性低下)が9,000億円と試算されました。

 

これを日本人の人口に当てはめると、約5兆円もの大きな経済的ロスが生まれているといわれています。

 

いかがでしたでしょうか? こんなに怖い睡眠不足。とはいえ、睡眠は長さよりも質が大切ともいわれます。史上の英雄では、ナポレオンやエジソンは長短時間睡眠型で、反対にアインシュタインは10時間以上寝るロングスリーパーだったといわれています。大切なのは、自分の睡眠タイプを見極めることかもしれません。

 

(参考)

日本睡眠学会に聞く!睡眠に関するQ&A | 睡眠キャンペーン(内閣府)

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