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2015年02月07日

ある看護師が考える「ホスピス・緩和ケア病棟で働くメリット」

看護をするうえで、必ず向き合わなければならない現実があります。それは人の「 死 」というものです。これには患者さんの死、そして家族や周囲の人々の悲しみも含まれます。特に、ホスピス・緩和ケア病棟においては日常的に直面する現実です。

 

ところが、そのような現実があっても、ホスピス・緩和ケア病棟を職場として選ぶ看護師はいます。

 

今回は、看護師資格を持つカナダのメディカルライターMarijke Vroomen-Durningさんの体験をもとに、ホスピス・緩和ケア病棟で働くメリットについて考えます。

 

ある看護師が考える「ホスピス・緩和ケア病棟で働くメリット」|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

看護学校で学ぶのは「死を避ける」こと?

日本と同じように、カナダの看護学校では患者さんを助ける・治すことを中心に学ぶそうです。「死」の問題も扱われますが、それは多くの場合「死を避ける」という観点からの話になるようです。

 

ところが最近は、ホスピス・緩和ケアについての授業を導入する学校も増えてきているとのこと。今ではこの分野を専門にしたいと考える看護師も少なくないからです。

 

それはなぜでしょうか?

 

死を受け入れるとは

人々は死に直面した時、まずはそれを否定したがります。しかし、かかる時間に個人差はあるものの、徐々に受け入れていくものです。

とはいえ、以前は今ほど告知が多く行われていませんでした。医師はもちろん家族に患者さんの病状を説明し、告知を行うべきかを確認します。家族が告知を望まなければ、本人は最期まで自分の病名すら知らずに亡くなっていたのです。

 

もちろん、今でもそのような状況はあります。

死の受け入れ方は人それぞれです。しかし、自分の人生が残り少ないと知ったら、誰でも何かやっておきたいことがあるのではないでしょうか。会いたい人に会って、伝えたいことを伝え、自分のしてみたかったことをする。それは全ての人に許される権利ともいえるのではないでしょうか。

 

ホスピス・緩和ケア病棟で働いて気づいたこと

Marijkeさんもまた、病院では患者さんの家族が本人に嘘をつくこともあったと話しています。家族は患者さんが死に直面しているという事実を隠したがっていたのです。そして、彼女はホスピス・緩和ケア病棟に勤めたとき、そのように嘘をつくことは間違いであったと気付くのです。

 

身体のことは自分が1番よく知っています。医療者が「大丈夫ですよ」と嘘をついても、患者さんはそれが嘘であるとわかっていたのではないか、と彼女は感じていました。

 

そして死の時期が迫っているのを隠すことで、患者さん自身がどのような最期を迎えるかを決める機会を奪ってしまったのではないかと気になったのです。

 

誠実な看護を行える

ホスピス・緩和ケア病棟での看護においては、患者さんに正直に接することができます。そこでは普通の看護と違って、「患者さんが最期の時を迎えるまでの時間」がより充実したものになるようお手伝いをさせていただくのです。

 

死を受け入れた患者さんは、最期までの過ごし方を考え、看護師に相談できます。

患者さんが満足する過ごし方を一緒に考えることは、看護師にとっても最高の喜びになるのではないでしょうか。そのようなことから、ホスピス・緩和ケアを専門としていきたい看護師も増えてきているのかもしれません。

 

看護のあるべき姿とは?

看護師として患者さんのために働く。それは当然のことですが、それだけではありません。「自分がしたい看護はどういうものか」という看護論を持ち、ときには悩みながら看護論を修正していきます。

 

病棟で回復して退院していく患者さんを見送るのも、看護師として嬉しい瞬間です。しかし、多くの死を見届けるなかで、本当に患者さんと向き合ったケアを行っていくのは実は難しいことです。

ホスピス・緩和ケア病棟で働くと、普通の病棟とはまったく違った看護を学べます。そこで働くのは簡単なことではありませんが、看護師として多くの喜びを得られるのも事実です。また、自分が本当にしたい看護を考える機会が与えられ、看護師としても成長できることでしょう。

 

(文)川越 麻実

(参考) Is Palliative or Hospice Nursing For You?

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コメント一覧(22)

2匿名2015年02月07日 06時56分

難しいけど、やりがいがありますね。

1匿名2015年02月07日 06時18分

いいですね

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