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2015年01月10日

看護師が「さよなら」と口にするとき―ある看護師のターミナルケア

看護師は多くの患者さんの世話をし、多くの患者さんの死を見届けます。
あるアメリカ人看護師が「患者さんとの別れ」について思いを綴っていました。

 

 

看護師の役割

看護師のリタ・マクドナルドさんは、あるとき、死に直面している患者さんの友人に、「どういう神経しているの?」と言われました。それは、とても皮肉っぽい調子だったそうです。なぜならリタさんは、患者さんに近しい人たちへ、その患者さんについての悲しい事実を伝えたスタッフのひとりだったからでしょう。

 

「私たちにできることはもう何もありません。患者さんはお亡くなりになります」

 

彼女は、自らが執筆した記事のなかでこう綴っています。

「看護師は『悪者』となるのを楽しんでいるわけではありません。みんな、患者さんの家族や友人が望むような奇跡が起こることを願っているのです。けれど、かなうはずのない希望を与えるくらいなら、むしろ、悲しい事実を伝える役割を担いたいと思います」

 

看護師の患者さんへの思い

リタさんは、12時間におよぶシフトの合間に、家に帰り、シャワーを浴び、再び病気の人々を看ます。次の勤務に備える「昼寝」をするだけの時間しかありません。こんな勤務では肉体的にはもちろん、精神的にも疲れ果ててしまう! というのが彼女の本音です。「私たちは、看護記録を職場に置いていくことはできるかもしれません。でも、病院での心配事を家に持ち帰っているのです」と、リタさんは語ります。

 

そして、家で思うのはこんなことだと言います。「何かやり残したことはなかったかしら?」「今日なにか他に彼女へできる看護はあったのかしら?」「あぁ、彼女は今夜どうしているかしら?」

 

患者さんの最期に立ち会うとき

患者さんの一番近くで世話をしているからこそ、看護師が「さよなら」を告げるときの患者さんや家族への思いは特別なもの。
リタさんは、看護師が患者さんを看取るときの様子について、こう語っています。


「私たちは、亡くなろうとしている患者さんの額をなで、手を握ります。そして、目を見つめながら言うのです。『今までの人生、よくがんばりましたね。あなたはとてもいいお母さん(お父さん)です!お子さんたちのことは心配いらないですよ』」

 

そして、患者さんの家族についてのある思い出にも触れています。

「ある日私の不在時に、亡くなった担当患者さんの家族の方が病院を訪れたのですが、私はその方にさよならを言うことができませんでした。彼はとても親切でしたし、私たちに感謝してくださる良い方だったので、別れの言葉を伝えられなかったことを後悔しました」

 

彼女は、本当は患者さんの家族にこう言いたかったそうです。

「ありがとうございます。あなたの大切なご家族を看護させていただき、感謝いたします。これまで私に感謝の意を示してくださり、また、患者さんの予後が悪いことを告げたにもかかわらず怒らずにいてくださり、ありがとうございました。あの方の予後についてお伝えするのは、私たちにとっても大変つらいことだったのです」

 

看護師という職業のため、悲しい知らせを伝えなければならないときもあります。しかし、看護師は常に患者さんや家族のことを考え、看護しています。そして、最期の瞬間も一番近くで患者さんの死を見届け、このとき、それまでの患者さんや家族との関わりを思い出します。だからこそ、看護師が病室のカーテンを引いて、「さよなら」を口にするときには、彼らに対する感謝の思いを胸に秘めているのです。

 

(文)Rio,S.

(参考)When a nurse says goodbye

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コメント一覧(38)

38匿名2015年03月16日 13時45分

32さんに同感です。何度患者さんの死に直面してもなれません。

37匿名2015年03月14日 06時23分

患者さんの予後に関しては医者の説明に頼ってたな。

36匿名2015年03月12日 00時08分

ところ違えど、精神的な辛さは変わらないんだなぁ

35匿名2015年02月24日 10時16分

ターミナルケア、自分は出来る気がしない

342015年01月13日 01時51分

ツライ〓

33匿名2015年01月12日 16時33分

いかに迎えてもらうか。考えさせられます。

32匿名2015年01月12日 15時42分

死は馴れない

31匿名2015年01月12日 13時54分

泣けます。

30匿名2015年01月12日 09時47分

辛いですよね

29匿名2015年01月12日 07時04分

やっぱり死は辛い

28匿名2015年01月12日 02時02分

難しい

27匿名2015年01月11日 20時33分

私も死期が近い人と私なりのお別れをします。
毎回私たちの看護で出来ることがもっとあったんじゃないかと悩みます。
少しでも家族がお別れをしやすくするのも仕事の一つだと思います。

26匿名2015年01月11日 20時18分

わかります

25匿名2015年01月11日 18時12分

人生の最後に携わる役割をよく考えたいと思いました

24匿名2015年01月11日 09時58分

去年、母を亡くしました。その時のことを思い出し泣きました。いろいろ考えさせられます。

23匿名2015年01月11日 09時47分

心身ともにきついですね

22匿名2015年01月11日 06時14分

なんだか複雑です。

21匿名2015年01月11日 00時10分

ご家族様から見たら 看護師の行動や言動に胸がざわつくことがあるのでしょうね

20匿名2015年01月10日 23時17分

何度経験してもつらいですね

19匿名2015年01月10日 22時58分

大変だよ

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