せん妄を起こす直接の原因にはどのような疾患がありますか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、せん妄を起こす直接の原因疾患について解説します。

 

せん妄を起こす直接の原因にはどのような疾患がありますか?

 

せん妄はの機能が障害されて起こるため,中枢神経系の疾患や,脳の機能低下を引き起こす全身性の疾患が直接の原因となります.
また,薬物の影響,アルコールの離脱などによっても,せん妄が引き起こされます.これらを直接因子といいます.

 

〈目次〉

せん妄発症を引き起こす直接の原因

せん妄の発症を引き起こす直接の原因を直接因子といいます.

 

直接因子になりうる身体疾患を大きく分けると,①中枢神経系の疾患と,②全身性の疾患に分類できます.中枢神経系の疾患が脳機能を障害してせん妄を起こすのは理解しやすいと思います.

 

表1に挙げた全身性の疾患についても,それらが全身のバランスを乱して脳機能にも影響を与え,せん妄を引き起こすイメージを持っていただけると幸いです.

 

表1せん妄の直接因子

せん妄の直接因子

 

身体疾患以外の直接因子としては,薬物の影響,アルコールの離脱が挙げられます.

 

直接因子は単一でなく原因特定がむずかしいこともある

実際のせん妄の症例では,直接因子が単一でなく複数かかわってくる場合や特定がむずかしい場合があります.

 

また,貧血電解質異常などが直接因子となる場合は,それらが慢性に経過している場合よりも急性に増悪した場合の方がせん妄を引き起こしやすいです.

 

直接因子は,身体症状として入院の原因となることも,入院後に,治療として患者さんに新たに加わることも多いので,症状と治療の関係をよく観察しましょう.

 


[Profile]
小倉 浩史 (おぐら ひろし)
国保旭中央病院神経精神科

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

 

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

 

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