術後1週間の消化管ストーマの観察ポイントは?|消化管ストーマの術後ケア

『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、術後1週間の消化管ストーマの観察ポイントについて解説します。

 

術後1週間の消化管ストーマの観察ポイントは?

 

全身状態が安定し食事が開始となり,少しずつストーマケアに患者本人にも参加してもらう時期です.排泄物が増えて漏れや皮膚トラブルがみられ始めることがあります.
術後1日目の観察ポイントで述べたような,基本のストーマの観察ポイントに沿った観察や周囲皮膚の観察を行います.この時期になって思わぬ合併症が発生する場合があります.早期に発見し,適切な対策がとれるように慎重に観察を行います.

 

解説

一般的にはストーマ粘膜の浮腫が軽減し排泄物がみられ,セルフケア指導が進められる頃です.排泄物の増加や慣れないセルフケアにより漏れや皮膚トラブルを生じることがあります.患者が不安を感じたりセルフケアの自信をなくすことがないよう,ケアの習得状況も観察し支援します.

 

術後1週間が経過した頃,ストーマ粘膜皮膚縫合部の縫合糸の抜糸を行います.その際に,接合部の離開(図1)がはっきりとする場合もあります.

 

図1ストーマ粘膜皮膚接合部の離開

ストーマ粘膜皮膚接合部の離開

 

医師の行うストーマの抜糸には同席し,安全に抜糸が実施できるようにガーゼなどでストーマを保持し,縫合糸の結び目を医師がはっきりととらえることができるように介助します.ストーマ部の抜糸は痛みが強いことが多く,患者への声かけをしながら行います.

 

抜糸後は徐々にストーマサイズが縮小する方が多く,サイズを観察しつつストーマ装具の選定をする時期でもあります.基本のストーマの観察ポイントに沿ってサイズなどの観察を行いましょう.

 

また,ストーマ周囲の皮下に感染を起こし,皮下膿瘍(図2)となる場合もあります.

 

図2皮下膿瘍

皮下膿瘍

 

ストーマ周囲皮膚に発赤や熱感,腫脹,疼痛などの炎症の徴候がみられる場合には軽く圧迫し,ストーマ粘膜皮膚接合部からの排膿がないかを確認するとともに,発熱や採血上の炎症データの上昇がないかもみていきましょう.

 


[引用・参考文献]

 

  • 1)宮本和俊.“消化管ストーマの手術と合併症”.小児創傷オストミー失禁管理の実際.溝上祐子ほか編.照林社,2010,23─32.
  • 2)津畑亜紀子.トラブルが起こった時のための指導.消化器外科ナーシング.14(2),2009,178─85.
  • 3)山田陽子.“周術期ケア”.ストーマリハビリテーション 実践と理論.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.金原出版,2006,166─72.
  • 4)中越亨.“消化管ストーマの種類”.前掲書 3),42─5.
  • 5)日本ストーマリハビリテーション学会編.ストーマリハビリテーション学用語集.第2 版.金原出版,2003.

 


[Profile]
保刈 伸代 ほかり・のぶよ
東邦大学医療センター大森病院看護部/皮膚・排泄ケア認定看護師

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。

 

[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行

 

ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!

 

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