ストーマリハビリテーションってどういう意味?

『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、ストーマリハビリテーションについて解説します。

 

ストーマリハビリテーションってどういう意味?

 

リハビリテーションは,単に機能回復という狭い意味ではなく,権利や名誉の回復といった人間らしく,その人らしく生きていくためのアプローチといえます.
したがって,ストーマ造設される患者の全人的な回復を目指し専門的な働きかけを行うことが,ストーマリハビリテーションととらえることができます.

 

ストーマリハビリテーションとは

リハビリテーション“rehabilitation”という言葉の語源には,“re”(再び),“habilitate”(適した状態になる)という意味があります.

 

ストーマリハビリテーションでは,オストメイトが社会生活の中で排泄管理やさまざまな事柄へ対処できるよう,支援する役割が求められます.ストーマリハビリテーションの過程(表1)は,手術前から術後長期にわたり,多職種によるチームで支援が継続されます.

 

表1ストーマリハビリテーションの過程

ストーマリハビリテーションの過程

 

高齢者では,手術後の身体的・精神的な回復の遅延やストーマケアの自立に時間を要することが予測されます.独居や家族化など,さまざまな問題を抱え,スケジュール通りに進まないことがあります.入院や手術の影響により,認知力やADLの低下をきたすこともあり,院内の関係者(MSWや在宅チーム)とともにカンファレンスを開催し,介護の必要性などの予測や情報共有も重要です.

 

日本オストミー協会による2011年オストメイト(ストーマ保有者)生活実態基本調査によると,生活上抱えている問題や悩みについて,「ストーマの管理ができなくなった場合の不安」や「老齢化で寝たきりや半身不随になること」が上位にあがっています.昨今では,オストメイトの療養環境は多様化し,医療者以外の職種がストーマ管理にかかわっている実態があります.ストーマリハビリテーションを支えるのは病院だけではなく,福祉や地域社会も重要な資源となります.現在,オストメイトが不安なく生活できるよう,介護職へのストーマ管理教育について,検討が始まっています.

 


[引用・参考文献]

 

  • 1)診療点数早見表2012年4 月版.医学通信社,2012,597─8.
  • 2)小島操子.看護における危機理論・危機介入.金芳堂,2004,26─33.
  • 3)大井綱朗.皮膚科疾患.中川秀己編.中山書店,2001,42─7,(看護のための最新医学講座,19).
  • 4)西出薫ほか.“ストーマケア技術の文献的考察とエキスパートオピニオン”.ストーマケア エキスパートの実践と技術.日本ET/WOC協会編.照林社,2007,44─6.

 


[Profile]
大溝 茂実 おおみぞ・しげみ
川崎市立井田病院看護部教育研修担当師長/皮膚・排泄ケア認定看護師

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。

 

[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行

 

ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!

 

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