せん妄を誘発しにくい環境づくりとはどのようなものですか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、せん妄を誘発しにくい環境づくりについて解説します。

 

せん妄を誘発しにくい環境づくりとはどのようなものですか?

 

せん妄を誘発しやすい環境要因として,過剰な刺激,刺激の遮断,不慣れな環境などがあります.
せん妄を予防するためには,これらの要因を知り,軽減するような環境づくりをしていくことが求められます.

 

〈目次〉

せん妄を誘発しやすい環境要因

せん妄を誘発しやすい環境要因には,過剰な刺激,刺激の遮断,不慣れな環境などがあります(表1).

 

表1せん妄を誘発しやすい環境要因と具体例

せん妄を誘発しやすい環境要因と具体例

 

せん妄の準備因子,直接因子に加えて,誘発因子の1つとして環境要因が加わることで,患者さんはますます環境に適応できなくなりせん妄を発症してしまいます.

 

環境要因は,ほかの誘発因子(心理・社会的要因など)とも関連しており,これらの因子を総合的にアセスメントして,予防的に改善していくことが求められます.

 

せん妄を誘発しにくい環境づくり

せん妄を誘発しやすい環境要因(表1)を知ったうえで,「周囲の状況を理解しやすい環境」「過剰な刺激の回避」「良質な睡眠の確保」「安心できる環境」「生活機能の維持」といった観点で療養的な環境づくりをしていくことで,せん妄の発症・程度の軽減を図ります(表2).

 

表2せん妄を誘発しにくい環境づくり

せん妄を誘発しにくい環境づくり

 


[文献]

  • 1)綿貫成明:せん妄,老年症候群別看護ケア関連図&ケアプロトコル(金川克子監修),p.168-185,中央法規出版,2008
  • 2)酒井郁子ほか:高齢者生活リズムを整えるためのケア.高齢者の生活機能再獲得のためのケアプロトコール—連携と協働のために(中島紀惠子,石垣和子監修),p.29-69,日本看護協会出版会,2010
  • 3)Sendelback S, Guthrie P : Evidence-based Practice Guideline : Acute Confusion/Delirium, The University of IOWA Gerontological Nursing Research Center : Research Translation and Dissemination Core, 2009
  • 4)Tullmann D et al : Delirium. Evidence-based Geriatric Nursing Protocols for Best Practice, 4th ed(Capezuti E et al eds.),p.186-199, Springer,2011

 


[Profile]
松岡 千代 (まつおか ちよ)
佛教大学保健医療技術学部看護学科

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

 

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

 

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