ドレーンなどのライン類の管理において,どのようなせん妄ケアを行えばよいですか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、ドレーンなどのラインとせん妄の関連について解説します。

 

ドレーンカテーテルなどのライン類の管理において,どのようなせん妄ケアを行えばよいですか?

 

せん妄状態をアセスメントし,患者さんの状態に合わせて観察や環境整備,ライン類が気にならないような工夫をしつつ,なるべく早期に抜去できるよう調整することが重要です.
安易な身体拘束をしてはいけません.

 

〈目次〉

危険な行動の背景

せん妄の患者さんは注意力の低下により,チューブ,ドレーン,カテーテルなどのライン類(以下,ライン類)の必要性を理解し覚えておくことがむずかしくなっています.

 

そのため,不用意に体を動かしてしまいライン類の計画外抜去や屈曲が起こりやすくなります.また,ライン類挿入に伴う痛みや瘙痒感といった不快症状や,「毒を入れられている」といったような妄想から自分で抜去してしまうこともあります.

 

患者さんの危険行動の理由をアセスメントし,患者さん個々に必要な対応をしていくことが大切です.

 

患者さんのアセスメント

まずは患者さんのせん妄を適切にアセスメントすることが重要です.

 

同じ患者さんが何度も自分で抜去を繰り返すことが少なくないため,入院時に家族から抜去歴などの情報をとっておくとよいでしょう.

 

こまめな観察と環境整備

せん妄を発症した患者さんはライン類を気にせず動いてしまうため,適宜ライン類の固定や屈曲などの観察を行うとともに,ベッド周囲や寝具などを整理します.

 

患者さんの体動や活動範囲を考慮し,ライン類の長さを調節することも抜去事故予防には有効です.はさみなどの刃物は絶対にベッドサイドに置いてはいけません.

 

ライン類が気にならない工夫

ライン類が気にならないように,(1)ライン類が視界に入らないような工夫,(2)ライン類による不快感を軽減する工夫が重要です.

 

ライン類が視界に入らないような工夫としては,ライン類を衣類の中に通す,点滴スタンドの位置を調整する,刺入部を包帯などで覆うなど,また,ライン類による不快感を軽減する工夫としては,刺入部の違和感や疼痛の確認と対処,かぶれにくい固定テープの選択などが挙げられます.

 

ライン類の早期抜去

膀胱留置カテーテルやCV カテーテルなどの挿入は術後せん妄の重要なリスク要因です.

 

医師とライン類の必要性について適宜話し合い,なるべく早期に抜去したり,夜間に点滴をしなくてすむよう調整することも大切です.

 


[文献]

 


[Profile]
森 珠美 (もり たまみ)
ニューハート・ワタナベ国際病院看護部

 

林 直子 (はやし なおこ)
聖路加国際大学看護学部

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

 

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

 

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