術後疼痛とせん妄に関係はありますか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、術後疼痛について解説します。

 

術後疼痛とせん妄に関係はありますか?

 

術後疼痛の治療が不十分であることは,術後せん妄の危険因子となります.
また,疼痛の治療に用いられるオピオイド製剤は,せん妄の原因となります.適切な疼痛コントロールが,せん妄の予防に重要です1)

 

〈目次〉

術後疼痛をコントロールする

適切に疼痛をコントロールするためには,①目標設定を行い(表1),②再現性のある評価方法で疼痛を繰り返し評価し,③薬物治療・非薬物治療を行うことが大切です.

 

1目標の設定

表1術後の疼痛コントロールの目標

術後の疼痛コントロールの目標

 

2疼痛の評価

コミュニケーションが取れる場合は,Numeric Rating Scale(NRS),VisualAnalogue Scale(VAS)を使用することが一般的です.

 

コミュニケーションが取れない場合は,表情,体動,筋緊張,人工呼吸器との同調性(挿管中の患者)/ 発声(抜管後の患者)の4 項目についてスコアをつけるCritical-Care Pain Observation Too(l CPOT)があります.

 

人工呼吸器を使用している患者さんでは,表情,上肢の動き,人工呼吸器との同調性についてスコアをつけるBehavioralPain Scale(BPS)があります2)

 

3疼痛治療

薬物療法

予想される疼痛の強さや範囲に応じて局所麻酔薬,非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs),アセトアミノフェンなどから開始し,強度の疼痛が予想される場合は,オピオイドを併用します.特定のオピオイド製剤を推奨することはありませんが,全身状態に応じて選択し,調節しながら使用します.

 

疼痛の性状によっては鎮痛補助薬の使用も検討し,日中の眠気をできるだけ少なくすることが望ましいと考えられます.

 

非薬物療法

音楽をかけたり,リラックスできるような環境を整えることも有効とされています.

 


 


[Profile]
八代 英子 (やしろ えいこ)
千葉大学医学部附属病院麻酔・疼痛・緩和医療科

 

田口奈津子 (たぐち なつこ)
千葉大学医学部附属病院麻酔・疼痛・緩和医療科

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

 

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

 

SNSシェア

看護知識トップへ