術前からの不安緊張とせん妄に関連はありますか?どのようなケアをすればよいですか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、手術とせん妄の関連について解説します。

 

術前からの不安緊張とせん妄に関連はありますか?
どのようなケアをすればよいですか?

 

不安緊張が強い患者さんは手術侵襲により判断力が低下したときに精神的混乱を起こしやすく,せん妄を発症する可能性が高いといえます.
術前から患者さん・家族とよくコミュニケーションをとって信頼関係を築き,術後の具体的なイメージをつかんでもらえるよう援助することでせん妄のリスクを軽減することができます.

 

〈目次〉

不安緊張と混乱,混乱とせん妄の関連

術後の患者さんはさまざまなチューブや機器につながれて思うように動けず,ただでさえ状況把握のむずかしい状況です.

 

加えて疼痛などの苦痛があっても気管挿管の影響で声を出すこともままならない…….

 

もともと不安緊張の強い患者さんがパニックを起こしせん妄状態になってしまうのは容易に想像がつくのではないでしょうか.

 

こういった患者さんのせん妄を予防するためには,「手術は終わりましたよ.お疲れさまでした」といった労いの言葉や,名前をよぶ,1つ1つ声をかけながらケアを行う,ナースコールを必ず手元に置いておくなど,基本的な看護の力が非常に重要になります.

 

患者さんの不安の中身とは……

手術やICUに対して「よくわからないけれどなんだか怖い」というイメージをもっている患者さんは少なくありません.

 

いくら説明してもむずかしい言葉ばかりでは余計に不安を煽ってしまいますので,患者さんの理解力に合わせて絵や写真を活用したり実際に見学してもらったりするなどして,術後経過を具体的にイメージできるよう援助しましょう.

 

説明は数回に分けて行い,不安な点がないかこまめに声をかけることも重要です.

 

術後せん妄が起こったときに慌てないために

せん妄が起こったときに患者さんの普段の様子を知っている人がそばにいるとは限りません.どんな人柄なのか,理解力はどの程度なのか,既往歴,家族構成など術前にしっかりと情報収集しておくことが重要です.

 

また,家族の存在は患者さんにとって非常に大きな安心感となります.術前から家族にもせん妄について説明し,連絡先や付き添いが可能か確認しておきましょう.

 


[Profile]
今村 礼菜 (いまむら あやな)
千葉大学医学部附属病院看護部

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

 

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

 

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