ガイドラインって何ですか?具体的にどう役立つのですか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、ガイドラインについて解説します。

 

ガイドラインって何ですか?具体的にどう役立つのですか?

 

ガイドラインとは,最適なケアを行うために最新・最良のエビデンスに基づいて系統的に作成された臨床実践の指針で,代表的なものが診療ガイドラインです.
ガイドラインはエビデンスに基づく実践を行っていくうえで不可欠なものです.

 

〈目次〉

エビデンスに基づく実践(EBP)

看護におけるEBP(Evidence-based Practice)とは,利用可能な「最良のエビデンス」,看護師の「臨床的専門技能」,「患者・家族の意向」という三者を結合して,最良な実践の決定を行い実行するプロセスです1)

 

臨床的専門技能とは,患者さんの健康状態,介入による利益などを判断し,個人的な価値観や期待を明らかにし2)つつ,最良の実践(best practice)を判断し実行する能力です.

 

エビデンスのレベル

ここでいうエビデンスとは,研究によって実証されたリサーチ・エビデンス(研究成果)で,エビデンスの質や推奨の程度は格付けされています.

 

ここではGRADE システム(Grading of Recommendations Assessment,Development and Evaluation)による分類を紹介しましょう2)

 

エビデンスの質(quality of evidence) は,「高い(high)」,「中間(moderate)」,「低い(low)」,「非常に低い(very low)」の4つに,推奨の程度は「強い推奨(strong recommendation)」と「弱い推奨(weak recommendation)」に分類されています.

 

ガイドラインの使い方

ガイドラインは,最新・最良のエビデンスを集大成したものですが,そのままではなく患者さん・家族の意向を尊重し,組織や現場の実状に合わせて活用していくことが求められます.

 

ガイドラインの主な内容と使い方のポイントは以下のとおりです.

 

①エビデンスの収集方法と格付け方法

  • 新しく幅広いエビデンスを収集できているか:文献検索・収集方法,文献発行年を確認する
  • エビデンスの格付けは適切か:格付け方法が国際基準に合致しているか確認する

②ガイドラインの内容

  • 適切なガイドラインか:ガイドラインの目的と対象者(target population),利用者を確認して,ガイドラインの適切性を検討する
  • ガイドラインで示されているEBPは実行可能か:ガイドラインが取り扱う領域,推奨される実践のエビデンスの質と推奨の程度を確認し,実用性を検討する

[文献]

 


[Profile]
松岡 千代
佛教大学保健医療技術学部看護学科

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

 

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

 

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