内科医はせん妄の治療をどう考え,どう行いますか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、内科医が考えるせん妄の治療について解説します。

 

内科医はせん妄の治療をどう考え,どう行いますか?

 

内科医は,多くのせん妄は全身状態の悪化から生じると考えます.
まず身体所見や神経学的所見を取り,採血,心電図,胸部X 線,必要に応じて頭部画像検査や髄液検査などを行い,原因を特定して,治療計画を考え,補正・治療します.

 

〈目次〉

せん妄をきたす原因

せん妄をきたす原因は,多岐にわたります(図1).これらの原因を念頭に置きながら身体所見や検査を計画します.

 

図1せん妄の原因(主に内科的病態・疾患)に対する基本的治療の例

せん妄の原因(主に内科的病態・疾患)に対する基本的治療の例

 

身体所見を取る

身体所見としては,まずバイタルサイン(血圧脈拍呼吸数・体温・疼痛の有無)を取り,頸部・胸部・腹部所見や浮腫の有無で異常がないか確認します.

 

神経学的所見を取る

次に簡単な神経学的所見として,意識障害の評価,瞳孔不同や眼位の異常,項部硬直(頸部を受動的に前屈させて下顎と胸骨の間が3横指以上曲がらない状態.首を横に曲げたり回したりしても抵抗はありません),片側の麻痺(手や足を挙上させて落下してこないか確認する),ろれつの回りにくさがないか,不随意運動(とくにミオクローヌス:びくっとした瞬間的な筋収縮)の有無などを評価します.

 

診察上で異常所見があれば検査する

身体所見に異常があれば,それに合わせた静脈血採血,動脈血採血,心電図,胸部X線などを行い,神経学的異常所見があればCTやMRIなどの画像撮影や髄液検査を検討します.原因を特定できたら,それを治療します(図1).

 

原因がはっきりしない場合でも,直近に開始した薬剤やせん妄を起こしやすい薬剤を整理し,全身状態を少しでも改善するよう努めます.可能な限り点滴や膀胱留置カテーテルなどの管を使用する機会や時間を減らすように注意します.

 


[Profile]
平野 成樹
千葉大学医学部附属病院神経内科

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

 

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

 

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