基礎代謝|検査値早わかりガイド

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。

 

今回は、基礎代謝について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

基礎代謝の基準値

  • BMR±10%

 

〈目次〉

 

基礎代謝の定義

空腹、絶対安静状態における新陳代謝のことで、生命維持に必要な最小限度の動作、すなわち心臓を動かす、呼吸をする、体温を保つのに使われるエネルギーをつくるための代謝量のことである。 

 

一般に基礎代謝は、同性、同年齢の標準基礎代謝量に対する比率(基礎代謝率、basal metabolic rate:BMR)で表される。

 

基礎代謝の異常とその原因

 

 

  • 甲状腺機能亢進症
    • 軽 度:+15~25%
    • 中等度:+25~50%
    • 重 度:+50~75%
  • 末端肥大症:+20~35%
  • クッシング症候群:+25~60%
  • 発 熱:体温1℃上昇に対し+10~13%
  • 多血症:+20~40%
  • 白血病:+20~80%

図1甲状腺腫大

 

甲状腺腫大

 

 

図2甲状腺機能亢進症における甲状腺組織像

 

甲状腺機能亢進症における甲状腺組織像

 

基準値 BMR±10%
成人男子:1kcal/kg/時(25kcal/kg/日)
成人女子:男子より10〜15%低い
小  児:成人より高い
  • 甲状腺機能低下症:-20~40%
  • アジソン病:-25%
  • 下垂体機能低下症:-40%
  • ネフローゼ症候群:-35%
  • ショック
  • 低栄養状態:-30%
  • 重症貧血
 

 

 

基礎代謝の検査の進め方

検査の前日は過労を避けて適度な食事を摂取し、夕食後の間食も避ける。

 

当日は絶飲絶食とし、少なくとも検査前30 分より測定台上に安静臥床させ、測定を行う。

 

測定は、空腹安静時における酸素消費量を測定し、発生熱量を計算し、基礎代謝率を求める。

 

基礎代謝の検査に影響を及ぼす要因

増加

妊娠授乳運動、食事、精神的興奮、高い室温、カフェイン、アドレナリン

 

減少

睡眠、気圧低下、抗甲状腺薬、モルヒネ、バルビタール

 

基礎代謝に関わる検査のポイント

検査時の留意点

  1. 検査の必要性を十分に説明し、不安と緊張を除去する。
  2. 発熱や月経時は、検査値が変動するので、できるだけ避ける。
  3. 検査前のタバコ、コーヒーなども検査値に影響することを説明し、禁止する。
  4. 患者の身長体重は検査値の重要な要因となるので、正確に測定する。
  5. 前日の夕食後から検査終了まで禁飲食とし、排泄を済ませたあとは安静にする。
  6. 身体を臥床させ、同室者との談話を禁じ、与薬も中止し、患者の衣服をゆるめ、移送は車いすとする。
  7. 室温20〜25℃、湿度60%程度の快適な環境を整える。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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