喀痰・咽頭分泌物の細菌検査

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。
今回は、喀痰・咽頭分泌物の細菌検査について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

〈目次〉

喀痰・咽頭分泌物の細菌検査の目的

喀痰・咽頭分泌物などの気道由来の検体による検査は、おもに呼吸器感染症の病原菌を検出するための検査である。呼吸器感染症は、上気道感染症と下気道感染症に大きく分けられる。

 

上気道感染症

上気道とは口腔、鼻腔、咽頭、扁桃、喉頭からなる気管より上部の気腔をさす。

 

  • 咽頭炎
  • 喉頭炎
  • 扁桃炎など

下気道感染症

下気道とは気管から気管支を経て肺内に入り肺胞までの気腔をさす。

 

 

図1慢性扁桃炎

慢性扁桃炎

 

図2同組織像:菌塊を伴う扁桃の炎症

同組織像:菌塊を伴う扁桃の炎症

 

図3気管支肺炎症例胸部X線像

気管支肺炎症例胸部X線像

 

図4同肉眼像

同肉眼像

 

 

表1検体の種類

検体の種類

 

 

喀痰・咽頭分泌物の細菌検査の検体採取上の注意

咽頭分泌物(咽頭拭いによる検体)

口腔を水で含嗽させた後に、口腔に触れないように咽頭の後壁あるいは口蓋扁桃の発赤部位を綿棒で拭う。

 

喀痰

痰の採取は早朝、起床時が望まれる。起床時の第1痰を、磨き、含嗽の後に深呼吸させて深いとともに喀出させる。

 

①②ともに口腔内の常在菌の混入をなるべく避けることが必要となる。経気管吸引法、気管支鏡を用いた採痰、経皮肺吸引法などでは常在菌の混入は抑えられるが、手技の複雑さや患者にとっての負担の増加が問題となる。

 

表2おもな病原体

おもな病原体

おもな病原体

 

図5肺結核症胸部X線像

肺結核症胸部X線像

 

図6同肉眼像

同肉眼像

 

図7肺内の結核結節の組織像

肺内の結核結節の組織像

 

図8サイトメガロウイルス肺炎

サイトメガロウイルス肺炎

 

図9アスペルギルス肺炎:肉眼像

アスペルギルス肺炎:肉眼像

 

図10アスペルギルス菌塊のグロコット染色標本像

アスペルギルス菌塊のグロコット染色標本像

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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