尿の細菌検査

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。

 

今回は、尿の細菌検査について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

〈目次〉

 

尿の細菌検査の目的

尿の検査の目的は、尿路感染症の診断と原因菌の特定である。

 

表1尿路感染症の種類

尿路感染症

 

図1腎盂胃炎症例の腎臓

腎盂胃炎症例の腎臓

 

図2膀胱炎出血を伴う膀胱粘膜の炎症

膀胱炎:出血を伴う膀胱粘膜の炎症

 

 

検体採取法

採尿法には以下のようなものがあるが、一般的には早朝・第1尿の中間尿を用いる〔「採尿法」参照〕。

 

  1. 中間尿
  2. カテーテル尿
  3. 膀胱穿刺

採尿時の注意

  1. 尿は時間が経つほど細菌の融解や増殖が進むため、正確な検査を行うためには新鮮な検体が必要となる。
  2. 採尿時の前処置
    • 男性の場合:亀頭部を消毒、洗浄後に採取することが望ましい。
    • 女性の場合:外陰部を洗浄、清拭後に採取することが望ましい。
  3. 滅菌済みの清潔な容器に、汚染を避けて提出するようにする。

 

検体の取り扱い

採取された検体は、採尿方法および採尿時間を記入して、新鮮な状態で提出することが望ましいが、やむをえず保存する場合には以下の注意点がある。

 

  1. 室温にそのまま放置せず、冷蔵庫(4〜8℃)に保存し、すみやかに検査室に提出する。
  2. 患者が自宅で採取して持参した尿などは検体として用いない。
  3. 尿の冷凍保存は避けること。
  4. 乾燥させないこと。

淋菌などは冷蔵庫に保存すると死滅する可能性があるので、これらの菌の検索を目的とする場合には、早急に提出する必要がある。
採尿時に近い状態に保てる保存物質の入った輸送・保存専用容器を用いることもある。

 

尿中分類菌の種類

尿路より検出されるおもな菌には、以下のようなものがある。

 

表2尿中分類菌の種類

尿中分類菌の種類

 

尿の細菌検査の検査成績の読み方

表3尿の細菌検査の検査成績の読み方

検査成績の読み方

 

化学療法が開始されてからの尿では、尿路感染症でも105 個/mL 以下の値を示す場合がある。
特殊細菌である淋菌や結核菌が検出された場合は、細菌の個数にかかわらず、検出された菌名自体が病原菌となる。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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