慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関するQ&A

 

『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

〈目次〉

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)って、どんな病気?

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease :COPD)は、慢性気管支炎図1)か肺気腫図2)、あるいは両者の合併によって、気道の閉塞性換気障害が生じる疾患です。40歳以上のCOPD有病率は約9%、患者数は約530万人です。

 

図1慢性気管支炎の気管内腔

慢性気管支炎の気管内腔

 

図2肺気腫の肺胞

肺気腫の肺胞

 

閉塞性換気障害ってどんなもの?

閉塞性換気障害とは、吸い込んだ空気を十分に吐き出せない状態です。慢性気管支炎と肺気腫は、どちらも閉塞性換気障害が起こりますが、起こるメカニズムは異なります。

 

慢性気管支炎は、気管支が慢性的に炎症を起こし、気管支粘膜からの粘液の分泌量が増加した状態です。炎症の長期化により粘膜が肥厚し、また過剰に分泌される粘液が停滞するために気管支の内腔が狭くなります。気管支の内腔が狭くなると、吸気時はわずかに空気の通り道がありますが、呼気時は胸腔内圧が高くなるために気道が完全に閉塞し、呼出が困難になります。

 

肺気腫は、肺胞壁が破壊されていくつかの肺胞が融合したり、肺胞壁の破壊によって呼吸細気管支以下の肺実質が異常に拡大し、肺が弾力性を失った状態です。また、肺胞壁の支えを失った気管支は閉塞を起こします。すなわち肺気腫は、肺の弾力性の低下と気管支の閉塞によって、十分に空気を吐き出せなくなるのです。

 

memo1英国医学研究協会(BMRC)息切れスケール
グレード0 息切れを感じない
グレード1 重い物を持ったときなどに息切れする
グレード2 急ぎ足や緩やかな坂で息切れする
グレード3 同年代の人に比べて歩くのが遅い、息継ぎのために休む
グレード4 息切れがして100 m 程度、または数分間しか歩けない
グレード5 衣服の着脱でも息切 れがする

* 息切れの程度がグレード1以上 の場合はCOPDが疑われる。

 

* BMRC :British Medical Research Counci(l 英国医学研究協会)の略。MRC質問表とも呼ばれ、呼吸困難感を表わす方法。

 

COPDって何が原因なの?

COPDの原因は、長年にわたる喫煙、大気汚染、粉塵(ふんじん)や化学物質の吸引、気道感染、遺伝的素因などです。これらが長年肺に作用した結果、発症します。

 

COPDではどんな症状が出現するの?

慢性気管支炎のおもな症状は、咳嗽(がいそう)と喀痰(かくたん)です。

 

嗽には、痰を伴う湿性咳嗽と、痰を伴わない乾性咳嗽がありますが、慢性気管支炎は湿性咳嗽が出現するのが特徴です。肺気腫は乾性咳嗽が現れます。

 

また、慢性気管支炎も肺気腫も、労作時に息切れや呼吸困難、チアノーゼが出現します。

 

COPDにおいて労作時に息切れや呼吸困難が出現するのはなぜ?

労作時に息切れや呼吸困難が出現するのは、換気とガス交換が障害されるためです。

 

換気とは、空気を吸ったり吐いたりする呼吸のことです。安静時に、1回の呼吸で出入りする空気の量を1回換気量といいます。正常な状態では、1回換気量は約500mLです。

 

ガス交換とは、空気に含まれている酸素O2を体内に取り入れ、代謝の結果、体内で生じた二酸化炭素CO2を排出することです(図3)。ガス交換には、肺胞でのガス交換と組織でのガス交換があります。

 

図3ガス交換

ガス交換

 

(竹村節子、横井和美監:呼吸器系—ガス交換機能。実習に生かすアセスメントのコツ3、ナーシングカレッジ、10(6):64 、2006より改変)

 

肺胞におけるガス交換は、肺胞と、肺胞に接する毛細血管との間で行われます。気道を通過して肺胞に届いた空気(肺胞気)と、血液中のガス分圧には差があります。その差により、肺胞気の酸素が血中に、血中の二酸化炭素が肺胞に移動します。肺胞に移動した二酸化炭素は、呼気によって体外に排出されます。

 

肺胞気から血中に移動した酸素は、ヘモグロビンと結合し(酸素ヘモグロビン、memo4)、身体の各組織へ運ばれます。そして、動脈血中と組織のガス分圧の差により、ヘモグロビンから放出された酸素が組織へ、組織内の二酸化炭素が動脈血に移動します。これが組織におけるガス交換です。

 

COPDでは、気道の狭窄(きょうさく)や肺の弾力性の低下によって呼出が十分にできないため、1回換気量が減少し、肺胞に二酸化炭素が溜まります。その結果、肺胞におけるガス交換と組織におけるガス交換が障害され、十分な酸素が組織に供給されません。そのために、労作時に息切れや呼吸困難が生じるのです。

 

memo2乾燥空気の容積組成

窒素;78 .084%、酸素;20. 946%、アルゴン;0. 934%、二酸化炭素;0.032%である。

 

memo3拡散

同じガスの間で分圧(濃度)に差がある場合、分圧の高いほうから低いほうへ、平衡になるまで移動する現象を拡散という。ガス交換は拡散によって行われる。

 

memo4酸素ヘモグロビンと還元ヘモグロビン

酸素と結合したヘモグロビンを酸素ヘモグロビンといい、酸素と結合していないヘモグロビンを還元ヘモグロビンという。酸素はヘモグロビンの2価鉄と結合することができる鉄が酸化されて2価から3価になると酸素と結合できなくなる。

 

COPDにおいてチアノーゼが出現するのはなぜ?

チアノーゼが出現するのは、肺胞におけるガス交換が障害され、還元ヘモグロビン(酸素を放出したヘモグロビン)が増加するからです。

 

チアノーゼとは、健康時にはピンク色に見える唇や手足の口腔粘膜などが、青紫に見える状態のことをいいます。

 

唇や手足の爪などの部位は、毛細血管をおおっている粘膜や皮膚が薄いため、血液の色調がそのまま見えます。これらの部位が、健康時にピンク色に見えるのは、酸素ヘモグロビン(酸素と結合したヘモグロビン)により、血液が赤色になっているからです。

 

肺胞におけるガス交換が障害されて酸素が血中に移動しなければ、酸素ヘモグロビンが減少し、還元ヘモグロビンが増加します。還元ヘモグロビンは暗色であるため、血液も暗色になり、唇や爪などが青紫色に見えるのです。毛細血管内の還元ヘモグロビンが、5g/dL以上になるとチアノーゼが生じます。

 

COPDの特徴的な検査所見は?

慢性気管支炎は、気管支に粘液(痰)が貯留するため、肺性副雑音ラ音)が聴取されます。

 

肺性副雑音とは、呼吸音に負随されて聴取される音です(表1)。気道や肺胞に痰が貯留していると、空気がそこを行き来するときに乱流が生じ、共鳴音が発声します。それが肺性副雑音です。

 

表1肺性副雑音(ラ音)

肺性副雑音(ラ音)

 

肺気腫は、肺が余分な空気を含んで過膨張となるため、胸郭(きょうかく)の左右径より前後径が増大しているビール樽様胸郭が認められます(図4)。胸部X写真では、肺の過膨張所見として、横隔膜の平坦化と低位、透過性亢進(黒く写る)が認められます(図5)。

 

図4ビール樽様胸郭

ビール樽様胸郭

 

(武田英二監:栄養学。新クイックマスター、p. 134 、医学芸術社、2007より改変)

 

図5肺気腫患者の胸部X 線写真

肺気腫患者の胸部X 線写真

 

慢性気管支炎と肺気腫のどちらにも認められる所見は、肺機能検査における1秒率の低下と、低酸素血症です。

 

肺機能検査とは、マウスピースをくわえて、思いっきり息を吸ったり吐いたりしてもらい、排気量分画や努力性肺活量を調べる検査です。1秒率というのは、肺いっぱいに息を吸い込み、一気に吐き出せるところまで呼出する肺活量(努力性肺活量)のうち、呼出から1秒間に吐き出された排気量の割合のことです(図6)。1秒率の標準値は70%以上ですが、COPDでは70%未満になります。

 

図6呼吸曲線・排気量分画と努力性肺活量

呼吸曲線・排気量分画と努力性肺活量

 

(竹村節子、横井和美監:リスクを防ぐ臨床看護ガイダンス。p. 30、医学芸術社、 2005より改変)

 

低酸素血症とは、動脈血酸素分圧(PaO2)が80mmHg以下の状態をいいます。肺胞におけるガス交換が障害されるためにPaO2が低下し、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇します。

 

COPDにはどんな治療が行われるの?

COPDは不可逆的な疾患なので、悪化を防ぐことに重点をおいた対症療法が中心になります。

 

具体的には、禁煙指導、薬物療法、呼吸理学療法、栄養療法、酸素療法などが行われます。

 

禁煙ってCOPDに対してどれくらい効果があるの?

COPDは長年の喫煙が原因となっていることが多いため、禁煙指導を行うことは重要です。

 

肺機能検査における1秒量は、COPDの患者は1年に60〜150mLずつ低下しますが、禁煙をすればそれを20〜30mLまで抑制することができます。

 

喫煙の弊害や疾病に及ぼす悪影響、禁煙による効果を患者に説明し、禁煙を勧めます。長年の習慣を変えることは容易ではないことを理解し、必要に応じて禁煙外来の受診を勧めます。

 

memo5ブリンクマン指数(喫煙指数)

1日あたりのタバコの喫煙本数と喫煙年数を掛け合わせたもの。

 

400以上の場合は、肺がんばかりでなく、そのほかのがん虚血性心疾患脳卒中、COPDなども罹患しやすい。600以上は肺がんの高危険群、1, 200以上は咽頭がんの危険性がきわめて高い。

 

COLUMN1経皮的動脈血酸素飽和度 SpO2

動脈血酸素飽和度SaO2と経皮的動脈血酸素飽和度SpO2の値は相関するため、SpO2を測定することで、低酸素血症になっていないかどうかを判断できます。

 

SpO2は、動脈血中にある全体のヘモグロビン量に対する酸素ヘモグロビン量の割合です。

 

SaO2は、動脈血を採取しなければ測定できませんでしたが、SpO2はパルスオキシメータを用いると、容易に、非侵襲的に、連続的に測定できます。パルスオキシメータは、酸素ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの色調の違いによって吸光度を検出し、動脈血酸素飽和度を算出する機器です。値はSaO2とほぼ同じですが、パルスオキシメータで測定した酸素飽和度を経皮的動脈血酸素飽和度SpO2といい、SaO2と区別しています。

 

なお、SpO2は95%以上が正常です。

 

COPDにおける薬物療法ではどんな薬が処方されるの?

COPDの薬物療法においては、抗炎症薬、消炎薬、去痰薬、気管支拡張薬などが処方されます。

 

抗炎症薬と消炎薬は炎症を抑えるため、去痰薬は痰を排出させるために使用されます。去痰薬は、気道の分泌を促進させたり、気道粘液を溶解させる作用があります。その結果、気道を浸潤化したり痰の粘度を下げたりして、痰を排出しやすくするのです。

 

気管支拡張薬は、気道閉塞に伴う呼吸困難を緩和するために処方されます。よく処方される抗コリン吸入薬は、緑内障前立腺肥大症の患者には禁忌です。とくに高齢の患者は緑内障や前立腺肥大症に罹患していることが多いため、注意して確認することが必要です。

 

COPDにおける呼吸理学療法ってどんなことをするの?

COPDにおける呼吸理学療法においては、効果的な呼吸法の指導や、体位ドレナージなどにより排痰を行います。

 

効果的な呼吸法には、口すぼめ呼吸や腹式呼吸があります。

 

口すぼめ呼吸は、吸気の約2倍をかけて、口をすぼめてゆっくりと息を吐く呼吸法です(図7)。口すぼめ呼吸をすると、唇で呼気流に抵抗を与えることで気道内の陽圧を保ち、気道の虚脱を防ぐことができます。これにより、呼吸数の減少、呼吸仕事量の軽減、1回換気量の増大をはかることができます。COPDの患者のなかには、自然と口すぼめ呼吸をしている人もいます。

 

腹式呼吸とは、から息を吸って腹部を膨らませ、口から息を吐いて腹部をへこませる呼吸法です。横隔膜の動きが大きくなり、呼吸数の減少、呼吸仕事量の軽減、1回換気量の増大をはかることができます。呼気時に口すぼめ呼吸をするとより効果的です。

 

図7口すぼめ呼吸、腹式呼吸

口すぼめ呼吸、腹式呼吸

 

体位ドレナージは、末梢の気道にある痰を、重力を利用して太い気道に移動させ、排出を促す方法です(図8)。実施する前に呼吸音を聴取して痰の貯留部位を確認し、部位に応じた適切な体位をとります。実施後も呼吸音を聴取し、肺性副雑音が聞こえないかどうか、つまり痰が排出されたかどうかを確認します。事前に吸入などを行って痰を軟らかくしておくと、排出しやすくなります。

 

図8体位ドレナージの体位

体位ドレナージの体位

 

体位ドレナージの体位

 

※ Sは区(区域)を表します

 

memo6排痰法

体位ドレナージのほかに、スクイージング法やハフィング法がある。

 

【スクイージング法】

 

呼気時に、痰が貯留している部位の呼吸筋の収縮を助けることで換気を助け、呼気の流速を速めて痰の排出を促す方法。痰の貯留部に手をあて、呼気に合わせて圧迫を加え、吸気になれば圧迫を開放する、という動作を繰り返す。

 

【ハフィング法】

 

自分でうまく痰を排出する方法。深く息を吸って、2秒ぐらい息を止めた後、口を軽く開けて「ハッ、ハッ、ハッ」と勢いよく息を吐き出す。咳による排痰は気道内圧を上げ、呼吸筋を疲労させるが、ハフィング法をマスターすると楽に排痰ができるようになる。

 

COPDにおいてなぜ栄養療法が必要なの?

COPDの患者は栄養障害を起こしていることが多く、栄養障害によってさらに呼吸機能が悪化するからです。

 

COPDの患者は、①呼吸筋力の低下、②換気量の減少、③気道抵抗の上昇などから呼吸筋の酸素消費量が増大し、エネルギー消費量も増大します。ところが、息苦しさや疲労感があるために食事摂取量が減少し、栄養障害を起こします。栄養障害は筋肉量の減少をもたらします。その結果、呼吸筋力も低下し、呼吸機能が悪化するという悪循環に陥ります。

 

栄養療法は、栄養状態を改善することで呼吸筋力を上昇させ、呼吸機能の悪化を防ぐことを目的に行われます。患者の栄養状態を評価し、必要なエネルギーと必要な栄養素を摂取できるように指導します。

 

また、食事の方法の指導も必要です。適切な食事の方法は、①1回の摂取量を少なくし、1日5〜6回に分けて摂取する、②1日3食にする場合は、間食に高エネルギー食品を食べる、③食事の前に休む、④ゆっくり食べるなどです。

 

COPDにおける酸素療法ってどんな治療法?

COPDにおける酸素療法とは、鼻カニューレなどを用いて、酸素ボンベや中央配管システムから、空気中の酸素濃度(約21%)より高い濃度の酸素を吸入させる療法です。

 

COPDの患者は、ガス交換が障害されています。血液に酸素が十分に移動しない低酸素血症の状態になると、呼吸中枢が刺激され、不足した酸素を外気から取り込もうとして呼吸回数が増え、呼吸仕事量(呼吸筋の運動量)が増えます。

 

また、身体の各組織にも酸素が十分に供給されないため、心臓は酸素を送ろうとして、強く、なおかつ早く血液を拍出し、心筋の仕事量が増えます。

 

このように、低酸素血症になると呼吸筋と心筋に大きな負荷がかかります。酸素療法によって低酸素血症を改善することで、呼吸仕事量(呼吸筋の運動量)と心筋の仕事量を軽減することができます。

 

動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr(mmHg)、動脈血酸素飽和度(SaO2)が90%以下が、酸素療法の適応です。

 

memo7中央配管システムによる酸素供給

施設内の決められた場所に設置されている、液化酸素タンクや酸素ボンベから、供給用の配管を通って、病室のベッドサイドにあるアウトレットに酸素が送られる。

 

アウトレットには、酸素のほかに圧縮空気と吸引があり、酸素は緑色、圧縮空気は黄色、吸引は黒色と決まっている。

 

memo8動脈血酸素分圧(PaO2)と動脈血酸素飽和度(SaO2

酸素解離曲線(図9)よりSaO2 90%はPaO2 60Torr(mmHg)、SaO260%はPaO2 30Torr(mmHg)に相当する。これを3・6・9の法則という。

 

末梢組織で二酸化炭素分圧、温度、2, 3 -DPG(ジホスホグリセリン酸)、水素イオン濃度(pH)が高いときには、解離曲線は右にシフトし、組織への酸素遊離を促進する(ボア効果)。

 

図9動脈血酸素解離曲線

動脈血酸素解離曲線

 

COPDの看護のポイントは?

呼吸困難を緩和するために、さまざまな生活指導を行うことが大切です。

 

痰が貯留している患者には、室内の加温・加湿を勧めます。空気が乾燥していたり室温が低いと、気道の水分が減少して痰が固まりやすくなり、排出が困難になります。脱水によっても気道の水分が減少しますから、水分は1日に1,500〜2,000mL以上補給するように促します。

 

入浴はエネルギーの消費が大きく、酸素消費量が増加するため、注意を促しましょう。注意点は、①体調が悪いときや呼吸困難感があるときは、入浴を控えるかシャワーだけにする、②脱衣室に椅子を置き、座って衣服を着脱する、③お湯の温度は低めにし、なるべく短時間ですませる、④湯に浸かると横隔膜(おうかくまく)が挙上して呼吸運動量が増えるため、できれば腰から下だけ浸かる座浴にする、などです。

 

便秘傾向の患者には、排便コントロールが必要です。便秘になると怒責し、呼吸困難が増強するからです。便秘を予防するために、①便意をもよおせば我慢せずにトイレへ行く、②食物繊維を多く含む食品を食べる、といったことを指導します。便秘になった場合は、浣腸薬や便秘薬を使用する前に、腸の走行に添って「の」の字を描くように、腹部を優しくマッサージしたり、腹部の温罨法(おんあんぽう)を行ってみましょう(図10)。

 

図10腹部のマッサージ

腹部のマッサージ

 

COLUMN2在宅酸素療法

1985年に在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)が保険適用になり、利用者が急激に増加しました。いまでは十数万人が利用しています。家庭で使用する酸素ボンベは、設置用のほかに携帯用もあり、患者は酸素を吸入しながら買い物や旅行にも行くことができ、生活範囲が大きく広がっています。

 

在宅酸素療法の保険適用の基準は、①動脈血酸素分圧PaO2が50Torr(mmHg)以下の者、②動脈血酸素分圧が60Torr(mmHg)以下で、睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症をきたす者であって、医師が在宅酸素療法が必要であると認めた者となっています。

 

⇒〔病気のなぜ?〕記事一覧を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』 (監修)山田 幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護知識トップへ