関節リウマチに関するQ&A

『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「関節リウマチ」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

〈目次〉

関節リウマチってどんな病気?

関節リウマチは、全身性エリテマトーデスと同様に自己免疫疾患です。

 

血液中にリウマトイド因子(memo2)という自己抗体が出現し、おもに関節の滑膜(かつまく)に炎症が生じ、関節障害が起こります。発症初期は滑膜の炎症のみですが、寛解(かんかい)と再燃を繰り返し、進行すると軟骨や骨が破壊されます。

 

memo1悪性関節リウマチ

関節リウマチのなかでも、全身の炎症症状が強く、血管炎を合併し、予後不良なものを悪性関節リウマチといい、特定疾患に指定されている。

 

memo2リウマトイド因子

関節リウマチや膠原病の患者の血液中に存在する自己抗体。変性したIgGのFc部分に対する自己抗体。リウマチ因子とも呼ばれる。

 

関節リウマチって何が原因なの?

関節リウマチの原因は、遺伝的素因やウイルス感染が関与し、炎症性サイトカインによりT細胞が自己組織を障害することにより起こります。

 

関節リウマチではなぜ軟骨の破壊が起こるの?

関節リウマチになると、関節の滑膜に無菌性の炎症が生じ、滑膜が増殖します。関節軟骨の部分は、骨膜がなく滑膜でおおわれているため、滑膜の増殖に伴って関節軟骨や軟骨下骨が破壊されます(図1)。

 

図1関節の病変

関節の病変

 

(山田幸宏編著:看護のための病態ハンドブック。改訂版、p.426、医学芸術社、2007より改変)

 

関節リウマチではどんな症状が出現するの?

関節リウマチで出現する症状には、朝のこわばり、関節炎、リウマトイド結節、関節の腫脹(しゅちょう)・変形などがあります。

 

こわばりとは、関節を動かしたときに動かしにくかったり、ぎこちない感じがすることです。 こわばりは、関節をしばらく動かさないと現れます。そのため、朝に現れやすいのです。

 

リウマトイド結節は、関節付近の皮膚の下にできる硬いしこりのことです。関節の変形は、関節軟骨や骨破壊が進行するとよく見られます(図2

 

図2関節リウマチの関節変形

関節リウマチの関節変形

 

MP 関節:中手指節関節、PIP 関節:近位指節間関節、DIP関節:遠位指節間関節

 

関節リウマチの特徴的な検査所見は?

関節リウマチを発症していると、免疫検査において、リウマトイド因子が陽性を示します。リウマトイド因子は、変性IgG(免疫グロブリンG)に対する自己抗体(リウマトイド因子、RFあるいはリウマチ因子)で、関節リウマチに特徴的に見られます。抗CCP抗体は環状シトルリン化ペプチドに対する自己抗体です。また、高ガンマグロブリン血症が認められます。

 

血液検査では、ほとんどの患者に貧血が認められます。赤血球沈降速度亢進、CRP陽性となり、炎症が起こっていることを示します。X線検査では、関節の状態から進行の程度が把握できます。

 

関節リウマチの診断基準は?

関節リウマチの診断基準は、米国リウマチ学会と欧州リウマチ連盟の共同策定の診断基準が広く使われています。関節変形、血清学(RF、抗CCP抗体)、急性期反応(CRP、赤沈)、罹病期間などの分類基準により診断されています。

 

関節リウマチにはどんな治療が行われるの?

関節リウマチの治療は、病状や病期によって、薬物療法、手術療法、リハビリテーションを組み合わせて実施されます。

 

薬物療法では、非ステロイド性抗炎症薬が鎮痛や解熱を目的に、副腎皮質ステロイド薬が抗炎症を目的に使用されます。また、メトトレキサート(リウマトレックス®)などの抗リウマチ薬が免疫異常や疾患進行の抑制を目的に、免疫抑制薬が免疫異常の抑制を目的に使用されます。

 

さらに生物学的製剤として、エタネルセプト(エンブレル®)、インフリキシマブ(レミケード®)、アダリムマブ(ヒュミラ®)、ゴリムマブ(シンポニー®)、セルトリズマブ(シムジア®)、アナキンラ(キネレット®)、リロナセプト(アーカリスト®)、カナキヌマブ(イラリス®)、トシリズマブ(アクテムラ®)、などのサイトカイン阻害剤、リツキシマブ(リツキザン®)などの、モノクロナル抗体も使用されます。

 

手術療法には、滑膜切除術、関節形成術、関節置換術などがあります。疼痛の軽減、重症化の予防、関節機能の再建などを目的に実施されます。

 

リハビリテーションには、運動療法、作業療法、温熱療法などがあります。

 

関節リウマチの看護のポイントは?

関節リウマチの急性期は、関節症状が強く苦痛が大きい時期なので、薬物、保温、マッサージなどによって苦痛を緩和します。全身症状も強いため、発熱、皮膚異常、浮腫、全身倦怠感などの有無・程度を観察し、異常が認められれば適切に対処します。また、予後に対する不安も大きいため、精神的支援も必要です。

 

慢性期は、関節の機能障害が生じますから、一緒に工夫を考えるなどし、日常生活が自立するよう援助します。軽い運動を習慣にすることや、栄養のバランスがとれた食事をするよう指導することも大切です。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』 (監修)山田 幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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