肝臓、胆嚢、膵臓の構造
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『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「肝臓、胆嚢、膵臓の構造」について解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
〈目次〉
肝臓
肝臓は、腹腔の右上部、横隔膜の下に位置しており、臓器のなかで最も重く、成人で約1,400gあります。
肝鎌状間膜を境に右葉と左葉に分かれ、下面にはH字形の溝があり、この溝によって前方の方形葉と後方の尾状葉に分けられます。
下面で4葉に囲まれた中央部(肝門)は、固有肝動脈、門脈、肝管が出入りしています。
肝臓の組織は、六角柱状の肝小葉が集まり、それぞれの角に肝動脈、門脈、胆管の3本が集まり1組となった門脈域(グリソン鞘)をつくっています。
肝臓の主な働きは、栄養の物質代謝、薬物の分解・解毒、胆汁や血液凝固物質の産生、血漿タンパクの合成、赤血球の処理などを行っています。
胆嚢
胆嚢は、長さ約8cm、幅2〜3cm、容量約50mLのナス形の器官で、肝臓の下面に位置しています。
肝臓で分泌された胆汁(600〜1,000mL/日)は、胆嚢に蓄えられ、濃縮されます。胆汁の成分は、胆汁酸、ビリルビン、コレステロールです。
膵臓
膵臓は、長さ15cm、重さ約100gで、胃の後部で後腹膜(第1と第2腰椎の前面に位置しています。十二指腸の彎曲部に囲まれる膵頭部と、左端が脾臓に接する膵尾部、その間をつなぐ膵体部によって構成されています。膵液を運ぶ膵管の先端は十二指腸に開口していて、胆汁を運ぶ胆管は膵臓にもぐり込み、十二指腸に開口する直前に膵管と合流しています。
膵液には、トリプシン、キモトリプシノゲン、膵リパーゼ、膵アミラーゼ、ヌクレアーゼが含まれています。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』 (監修)山田 幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版