C型肝炎ウイルス検査|感染症 | 検査値早わかりガイド

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。

 

今回は、C型肝炎ウイルス検査について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

C型肝炎ウイルス検査の基準値

  • HCV抗体定性:陰性
  • HCV-RNA定性:陰性
  • HCV-RNA定量:検出せず
  • HCVウイルス型:1a型、1b型、2a型、2b型とも検出せず

 

〈目次〉

 

C型肝炎ウイルス検査の定義

C型慢性肝炎とは、肝炎を起こすC型肝炎ウイルス(HCV)の感染により、6か月以上にわたって肝臓の炎症が続き、細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなる疾患である。初期にはほとんど症状はないが、放置しておくと、長い経過のうちに肝硬変や肝臓癌に進行しやすいことが知られている。

 

C型肝炎(HCV)の診断に用いられているおもな検査法には、用途別に以下の検査法がある。

 

  1. HCV抗体:HCV感染の有無のスクリーニング検査に用いられる。
  2. HCV-RNA定性:血中にHCVが存在するかどうかを判定する検査で、おもにC型慢性肝炎患者のインターフェロン(IFN)治療などの治療効果判定に行う。
  3. HCV-RNA定量:血中に存在するHCVの量を示し、C型慢性肝炎患者の治療方針の決定、インターフェロン(IFN)治療効果の判定、予後の推定をする。
  4. HCV群別(グルーピング):HCVを数種類の遺伝子型(ジェノタイプ)に分類し、C型慢性肝炎患者のインターフェロンの治療効果を予測する。

 

C型肝炎ウイルス検査の異常とその原因

 

 

[陽性]または[高値]

HCV抗体定性

  • HCVの感染
  • HCV感染の既往

HCV‐RNA定性

  • HCVの感染(HCVの存在)

HCV‐RNA定量

アンプリコア定量(PCR法)
  • 100(kIU/mL)以上:ウイルス量が多い
  • 100(kIU/mL)未満:ウイルス量が少ない

HCVウイルス群別(グルーピング)

  • SG1(1a型、1b型):IFN治療抵抗性
  • SG2(2a型、2b型):IFN治療効果大
基準値 HCV抗体定性:陰性
HCV-RNA定性:陰性
HCV-RNA定量:検出せず
HCVウイルス型:1a型、1b型、2a型、2b型とも検出せず

 

図1慢性肝炎の組織像

慢性肝炎の組織像

 

図2HCV感染の経過

 

HCV感染の経過

 

C型肝炎ウイルス検査の検査の進め方

C型肝炎ウイルス検査の検査の進め方

 

C型肝炎ウイルス検査と他の検査との関連性

C型肝炎を疑うが、抗体陰性の場合はHCV-RNA定性検査やHCVコア抗原検査を行う。

 

C型肝炎ウイルス検査の検体の取り扱い

すべての検査とも血清で凍結保存可能。HCV-RNA検査の場合は単独の採血管で提出する。

 

C型肝炎ウイルス検査に関わる看護のポイント

看護に必要な情報

感染の30%が一過性感染で治癒。70%が持続感染となる。

進行性のため10~20年かけて確実に進行する。

B型肝炎の5倍の率で癌が発生する。

母子感染率は2.5%、注射針・メスなどの医療行為、性行為などから感染が認められている。

インターフェロンの作用と副作用

  1. インターフェロンの作用
    • ウイルスの増殖を予防する。
    • 免疫力を活性化する。
  1. インターフェロンの副作用
    • 呼吸器症状:発熱、呼吸困難、
    • ショック症状:血圧低下・チアノーゼなど
    • 精神神経症状:うつ状態、自殺企図、不安、不眠、焦燥、意欲低下、集中力欠如など
    • 骨髄抑制:白血球減少、血小板減少
    • 消化器症状:悪心・嘔吐下痢、便秘

 

看護援助(インターフェロン治療時)

HCVウイルス型(2a型・2b型)インターフェロン治療が実施される

  • 注射時、解熱薬を服用し、出現率の高い発熱を予防する。
  • 副作用発現の観察を行い、軽減できるものに対しては、あらかじめ対処するようにする。
  • 長期投与になるため、患者の生活に合わせて治療が継続できるように配慮する。また、精神神経症状発現の観察に家族などの協力を得る。

インターフェロン治療に対する医療費助成

2008年4月1日よりインターフェロン治療に対する医療費助成が開始され、2010年からは自己負担限度月額の引き下げ、核酸アナログ製剤治療を助成対象に追加された。

 

さらに、2011年より①B型慢性肝炎に対するペグインターフェロン単独療法、②C型代償性肝硬変に対するペグインターフェロンおよびリバビリン併用療法、③C型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む3剤併用療法の3つが助成対象として追加された。

 

(厚生労働省ホームページ「肝炎総合対策の推進」)

 

⇒〔検査値ガイド一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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