B型肝炎ウイルス検査|感染症 | 検査値早わかりガイド

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。

 

今回は、B型肝炎ウイルス検査について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

B型肝炎ウイルス検査の基準値

  • ①HBs抗原:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
  • ②HBs抗体:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
  • ③HBe抗原:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
  • ④HBe抗体:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
  • ⑤HBc抗体:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
  • ⑥HBV-DNA量:2.6(Logコピー/mL)未満(PCR法)3.7(LGE/mL)未満(TMA法)

 

〈目次〉

 

B型肝炎ウイルス検査の定義

B型肝炎ウイルス(HBV)検査には、①HBs抗原、②HBs抗体、③HBe抗原、④HBe抗体、⑤HBc抗体、⑥HBV-DNA量に対する検査がある。B型肝炎ウイルスに感染しているかいないか、抗原と抗体の状況から感染の程度や肝炎発症の状況を判断する検査である。

 

一般臨床におけるB型肝炎ウイルスのスクリーニングは、HBs抗原を検査することから始まり、陽性の場合は、肝機能検査(AST、ALTなど)、HBe抗原、HBe抗体、HBV-DNA量測定を行い、インターフェロン(IFN)療法、抗ウイルス療法などの治療の選択を行う。

 

B型肝炎ウイルス検査の異常とその原因

 

 

[陽性]または[高値]

 

基準値 ①HBs抗原:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
②HBs抗体:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
③HBe抗原:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
④HBe抗体:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
⑤HBc抗体:陰性(EIA法、RIA法、PHA法など)
⑥HBV-DNA量:2.6(Logコピー/mL)未満(PCR法)3.7(LGE/mL)未満(TMA法)

 

表1急性B型肝炎での血中HBV関連マーカー

急性B型肝炎での血中HBV関連マーカー

 

表2持続性感染でのHBV関連抗原抗体系の推移

持続性感染でのHBV関連抗原抗体系の推移

 

B型肝炎ウイルス検査の検査の進め方

一般臨床におけるB型慢性肝炎ウイルスマーカーの検査の進め方は、以下のとおりである。

B型慢性肝炎ウイルスマーカーの検査の進め方

 

B型肝炎ウイルス検査と他の検査との関連性

肝機能検査(AST、ALTなど)を検査前および治療中に行う。経過観察中に肝機能検査(AST、ALTなど)、HBe抗原、HBe抗体、HBV-DNA量測定を行い、YMDD変異株の出現(抗ウイルス療法:ラミブジン治療)の監視をする。

 

YMDD変異株の出現を疑った場合、必要があればYMDD変異解析(HBV-ラミブジン耐性遺伝子)を行う。

 

B型肝炎ウイルス検査の検体の取り扱い

検体は血清で冷蔵保存、HBV-DNA量の場合は単独に採血し、凍結保存する。

 

B型肝炎ウイルス検査に関わる看護のポイント

看護に必要な情報

随伴症状の有無と程度

全身倦怠感、食欲不振、悪心、黄疸など

 

全身症状

発熱、精神活動の低下など

 

臨床検査データの結果と変化

劇症化の変化に注意

 

症状発現時期と現在までの経過

 

看護援助(B型肝炎)

一過性感染で急性肝炎を呈す

HBVを有する血液や血液製剤の輸血や注射針の穿刺(医療従事者など)、性交による感染

 

持続感染により慢性肝炎となる

母親から垂直感染や乳幼児期・免疫不全状態にある患者の水平感染。肝硬変や肝細胞癌へ進展する頻度が高い

 

e抗原陽性キャリアの母親から生まれる新生児に対する公費によるワクチン接種。

医療従事者は積極的にワクチン接種をし、穿刺事故による肝炎発症を予防する。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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