抗ミトコンドリア抗体 (AMA)|自己免疫・アレルギー | 検査値早わかりガイド

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。

 

今回は、抗ミトコンドリア抗体(AMA:anti-mitochondrial antibody)について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

抗ミトコンドリア抗体(AMA)の基準値

  • 陰性(20倍未満)(蛍光抗体法)

 

〈目次〉

 

抗ミトコンドリア抗体(AMA)の定義

抗ミトコンドリア抗体(AMA)は、原発性胆汁性肝硬変(PBC:primary biliary cirrhosis)の患者血清中に高率および高力価に出現する自己抗体で、原発性胆汁性肝硬変の診断に必要不可欠な検査である。

 

原発性胆汁性肝硬変とは、中高年以降の女性に多く発症する肝小葉内胆管の変性・破壊による慢性肝内胆汁うっ滞をきたす自己免疫性肝硬変である。病理組織学的には、慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)が特徴で、抗ミトコンドリア抗体が高率に陽性になる。

 

抗ミトコンドリア抗体(AMA)の異常とその原因

 

図1慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)の組織像

慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)の組織像

 

図2抗ミトコンドリア抗体の蛍光顕微鏡写真(写真提供MBL)

抗ミトコンドリア抗体の蛍光顕微鏡写真(写真提供MBL)

 

抗ミトコンドリア抗体(AMA)と他の検査との関連性

  • PBCでは、赤沈亢進、ALP、LAP、γ-GTP、総コレステロール、IgMの値の上昇がみられる。
  • 抗ミトコンドリア抗体陽性の場合は、肝生検を施行し、病理組織学的確認をする。
  • 抗ミトコンドリア抗体陰性でもPBCを疑う場合は、肝生検を施行する。
  • 抗ミトコンドリア抗体弱陽性の場合は、抗ミトコンドリアM2抗体検査を行い確認する。

 

抗ミトコンドリア抗体(AMA)の検体の取り扱い

検体は、血清で凍結保存可能である。

 

抗ミトコンドリア抗体(AMA)の検査のポイント

どのようなときに検査するのか

  1. 黄疸を認め、胆道系酵素(ALPやγ-GTP)などの上昇が著明で、腹部超音波や、腹部CTなどで閉塞性黄疸が否定され、肝内胆汁うっ滞と考えられるときである。
  2. 黄疸はないが、胆道系酵素上昇や血清IgMが高値を示すとき。
  3. 皮膚のかゆみと肝機能検査結果の異常時。

 

抗ミトコンドリア抗体(AMA)に関わる看護のポイント

看護援助

皮膚、粘膜の保護と清潔

  1. 衣服、寝具の選択。
  2. 清拭、シャワー浴後の止痒薬の塗布。
  3. やわらかいブラシの使用、を短く切る、掻き傷をつくらないなど。

心身の安静

精神的援助

  • 腹腔鏡、肝生検などが実施されるので、検査に対する不安の除去に努める。
  • 食道静脈瘤の有無と程度の判定をし、必要に応じて内視鏡的治療が実施されるので、その説明と不安に配慮する。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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