抗好中球細胞質抗体(ANCA) (C-ANCA、P-ANCA)|自己免疫・アレルギー | 検査値早わ

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。

 

今回は、抗好中球細胞質抗体(ANCA:C-ANCA、P-ANCA)について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

抗好中球細胞質抗体(ANCA)の基準値

  • C-ANCA:3.5(U/mL)未満(EIA法)
  • P-ANCA:9.0(U/mL)未満(EIA法)

 

〈目次〉

 

抗好中球細胞質抗体(ANCA)の定義

好中球細胞質抗体(ANCA)は自己抗体で、このうちC-ANCA(PR3-ANCA)とP-ANCA(MPO-ANCA)が血管炎症候群スクリーニング検査に利用される。

 

C-ANCAはWegener肉芽腫症で特異的に高値を示し、P-ANCAは特異性は少ないが、壊死性血管炎などの血管炎を基礎とする疾患(顕微鏡的多発動脈炎;MPAなど)で高値を示す。

 

抗好中球細胞質抗体(ANCA)の異常とその原因

 

 

C-ANCA

  • Wegener肉芽腫症
基準値 C-ANCA:3.5(U/mL)未満(EIA法)

 

 

 

P-ANCA

  • 顕微鏡的多発動脈炎(MPA)
  • pauci-immune型壊死性半月体形成性腎炎(NCGN)
  • 巣状壊死性腎炎(FNGN)
  • アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)
※進行性全身性強皮症(PSS)やグッドパスチャー(Goodpasture)症候群では軽度上昇する
基準値 P-ANCA:9.0(U/mL)未満(EIA法)

 

図1Wegener肉芽腫症:組織像(咽頭内の肉芽腫性炎症)

Wegener肉芽腫症:組織像(咽頭内の肉芽腫性炎症)

 

図2Wegener肉芽腫症に見られた腎糸球体病変

 

Wegener肉芽腫症に見られた腎糸球体病変

 

図3進行性全身性強皮症(PSS)の皮膚病変

進行性全身性強皮症(PSS)の皮膚病変

 

図4進行性全身性強皮症(PSS)の肺病変

進行性全身性強皮症(PSS)の肺病変

 

抗好中球細胞質抗体(ANCA)と他の検査との関連性

C-ANCA陽性では、尿検査での腎病変のチェックや耳鼻科検診やX線検診を受ける。

 

ANCA陽性例で、急速に進行し死に至るものもあり、全身的な検査を行い対処する。

 

抗好中球細胞質抗体(ANCA)の検体の取り扱い

検体は、血清で凍結保存可能である。

 

略語

 

  • ANCA(抗好中球細胞質抗体):antineutrophil cytoplasmic antibody
  • MPO-ANCA(抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体):myeloperoxidase-antineutrophil cytoplasmic antibody
  • PR3-ANCA(プロテイナーゼ-3を対応抗原とする抗好中球細胞質抗体):proteinase 3-ANCA

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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