コリンエステラーゼ (ChE:cholinesterase)|酵素 | 検査値早わかりガイド

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。

 

今回は、コリンエステラーゼ(ChE:cholinesterase)について解説します。

 

江口正信
公立福生病院部長

 

コリンエステラーゼ(ChE:cholinesterase)の基準値

  • 214~466(U/L)

 

小児の場合

  • 250~480(U/L)

 

〈目次〉

 

コリンエステラーゼ(ChE:cholinesterase)の定義

コリンエステラーゼ(ChE)は、コリンエステルをコリンと有機酸に加水分解する酵素で、アルブミン同様、肝臓における蛋白合成能を反映する。ChEは下表のように真性と偽性の2種類に分類される。

 

臨床検査として、日常測定されるのは、血清中の偽性ChEである

 

 

コリンエステラーゼ(ChE:cholinesterase)の異常とその原因

 

 

高値は、肝細胞の蛋白合成能が亢進している場合にみられる
基準値

214~466(U/L)

 

小児の場合
250~480(U/L)

 

低値は、肝機能不全による蛋白合成能の低下のほか、有機リン中毒などでChEの活性が阻害された場合などにみられる。サリン中毒、農薬中毒(パラコート、スミチオンなど)などの有機リン中毒では、ChEは顕著に低値を示す。薬物中毒の疑いがある場合は、ChE値の測定は必須である
  • 肝臓疾患(肝硬変、肝臓癌、慢性肝炎など)
  • 栄養失調
  • 有機リン中毒
 

 

 

図1脂肪肝肉眼像

脂肪肝肉眼像

 

図2図1の組織像

図1の組織図

 

コリンエステラーゼ(ChE:cholinesterase)と他の検査との関連性

ChEは蛋白合成能に左右されるため、アルブミン値が並行して変動する。また脂質代謝の影響を受け、脂質と連動して変化することもある。

 

コリンエステラーゼ(ChE:cholinesterase)の検査のポイント

どのようなときに検査するのか

  1. 肝疾患、とくに慢性の肝臓疾患の肝機能検査として必須の検査である。
  2. 農薬、駆虫薬(パラチオン、スミチオンなど)、毒ガス(サリンなど)による中毒が疑われるとき。
  3. 栄養障害あるいは消耗性疾患の際に測定し、その程度は病状を反映する。

 

コリンエステラーゼ(ChE:cholinesterase)に関わる看護のポイント

看護援助

食事への援助

  • 摂取状況の確認をし、適切な栄養が整えられるよう工夫する(適温、盛りつけの工夫や、食べたいときに食べることのできる量を提供できるようにする。
  • 適切な蛋白質・ビタミンの補給ができるよう援助する。

低値の場合

  1. 安静保持
    • 疼痛などのストレスの除去に心がける。
    • 臓器血流を維持するため、臥床安静とする。
    • 必要により十分な酸素を供給し、細胞の活性を促す。
    • 安楽な体位の工夫をする。
    • ADLの制限に伴う援助をする。
  2. 合併症の予防
    • 低栄養状態による合併症(肺炎褥瘡など)や感染を予防するため、身体の清潔に努める。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信/2014年3月刊行/ サイオ出版

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