最終更新日 2019/11/01

抗セントロメア抗体

抗セントロメア抗体とは・・・

抗セントロメア抗体(こうせんとろめあこうたい、anticentromere antibody;ACA)とは、自己抗体の一つであり、全身性強皮症に特異的な自己抗体として知られている。

2本の染色体が接合する中央狭窄部がセントロメアであり、このセントロメアを抗原とする自己抗体が抗セントロメア抗体である。抗核抗体の一つであり、血清中の特異抗体を検出する間接蛍光抗体法では散在斑紋型(discrete speckled pattern)の形態を示す。

抗セントロメア抗体は、上でも述べた通り全身性強皮症に特異的な自己抗体として知られている。全身性強皮症は、広範囲型全身性強皮症と、限局型全身性強皮症の二つに大別される(LeRoyによる分類)。前者では抗トポイソメラーゼⅠ抗体(抗Scl-70)や抗RNAポリメラーゼⅢ抗体が陽性になるのに対し、後者では抗セントロメア抗体が陽性となる。

全身性強皮症では、広範囲型全身性強皮症か、限局型全身性強皮症であるかの区別が予後予測には重要である。その予後予測に抗セントロメア抗体を含む自己抗体の検査が有用である。また、全身性強皮症診断基準の小基準にも抗セントロメア抗体は含まれている。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長

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