最終更新日 2018/01/29

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは・・・

緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)は、一次性頭痛(病変に起因しない、機能性の頭痛)の中で最多であり、頭痛患者の半数を占める。非拍動性で頭部の両側を締め付けるような性状を特徴とする。頭痛の頻度により稀発反復性緊張型頭痛(1ヶ月に1日程度発現)、頻発反復性緊張型頭痛(3か月を超えて1か月に1~14日発現)、慢性緊張型頭痛(3か月を超えて1ヶか月に15日以上発現)に分類される。

精神的、身体的ストレス、うつ状態や運動不足、眼精疲労、なで肩などを原因として、頭頸部を支える筋肉僧帽筋や側頭筋、後頭筋など)の緊張を生じ、血管が収縮することから頭痛を発症するとされる。片頭痛との鑑別点として、日常的な動作による増悪を認めない、悪心や嘔吐を伴わない、光や音による過敏性はあってもどちらか一方である、頭痛の強さは軽~中等度である、といった点が挙げられる。鎮痛薬など薬物の使用過多になっている例では薬物乱用頭痛に陥っていることがある。

診断には、頭部画像検査などにより二次性頭痛(頭蓋内出血や腫瘍、髄膜炎といった病変による症候性の頭痛)を除外することが必要である。
治療は、鎮痛のほか、その原因に応じて抗うつ薬による予防的投薬や、ストレッチや認知行動療法などの非薬物的な治療も行われる。

執筆: 石田 光

元 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター

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