独身ナース 30歳までの貯金目標は勤続年数×50万円｜ナースのためのマネーコラム【2】

2015/02/09

ナースのお金に関する悩みをプロの視点からアドバイス！

働く女性のマネー術に詳しいファイナンシャルプランナー花輪陽子さんがナースのお金の悩みに答えます。

【2】独身ナース 30歳までの貯金目標は勤続年数×50万円

「年相応の貯金額を教えてください」こんな質問をよく受けます。同年代の人がどれくらい貯金をしているのかは気になりますよね。私が会社員1年目の時、1年間で100万円ためた同期がいました。その反面、当時の私は貯金ゼロのダメダメ女子でした。その同僚は無駄遣いをせずにコツコツ貯金をすることで、30代で素敵なマイホームを手に入れていました。

(illustration：松元まり子)

1、30代の平均貯蓄額は450万円!?

2、勤続年数×50万円が目安

3、20代は人生のため時

1、30代の平均貯蓄額は450万円!?

さて、30歳までにためておきたい金額はどれくらいでしょうか。シングルの年代ごとの平均貯蓄額は20代で184万円（中央値は11万円）、30代で450万円（中央値は100万円）です（金融広報中央委員会：平成25年『家計の金融行動に関する世論調査』金融資産を保有していない世帯を含むデータ）。

「えっ、平均以下」と思われた方も多いかもしれません。しかし、平均以下ということで落ち込む必要はありません。平均値の場合、全員の貯金額を足して人数で割る計算方法をとり、貯金が多い一部の人の数字に引っ張られて金額が上がりやすくなります。中央値の場合、背の順のように貯蓄が少ない人から並べて真ん中の値になります。ですから中央値のほうが世間一般と比べたリアルな数字になるのです。例えば、貯金100万円のA子と貯金ゼロのB子と貯金20万円のC子の三人の平均値は40万円、中央値は20万円になります。理想的には中央値以上をクリアし、平均値をめざせるとよいでしょう。

2、勤続年数×50万円が目安

さて、1年間でためたい金額はどれくらいでしょうか。「手取り年収×10％」をめやすに考えてみてください。月々とボーナスの手取りから1/10をためると考えるとできそうではないでしょうか。実家暮らしで余裕がある場合は20％程度ためるのもよいでしょう。具体的な数字に落とし込むと、「勤続年数×50万円程度」をためられるとかなり優秀です。8年間働いている場合は400万円になり、結婚費用、出産費用、結婚後のへそくりなどにも十分な金額になります。

3、20代は人生のため時

20代の頃は旅行、買い物、趣味など色んな誘惑が多く、目の前の欲しい物やサービスを我慢して将来のためにためていくことは大変かもしれません。ですが、20代は貯金をしやすい時期ということを心得ておきましょう。人生にはため時というものが4回程度あり、独身時代、夫婦共働きの時代、子どもが小学生の時期（公立の場合）、子どもの独立後（自分たちが定年退職まで）です。人によっては自分たちの定年退職よりも子どもの独立のほうが遅い場合もあり、最後のため時がない、あるいは短いということも考えられます。

子どもができると独身、あるいは夫婦のみの時代のようにすんなり貯金をするのはむずかしくなります。育児や家事のために仕事をセーブすれば収入は減り、子ども費や保育費などもかかるようになるからです。20代のためやすい時期に少しでも多くの貯金を残しておきたいですね。

【著者：花輪陽子】

ファイナンシャルプランナー（FP）。元外資系の投資銀行勤務。OL時代にはまったショッピングによりカードローンの残高は最大200万円に。失業も経験する。お金にコンプレックスがあり、勉強してFPになる。著書に『30代で1000万円貯める！共働き夫婦のマネー術』（日本経済新聞出版社）、『貯まらん女のお金がみるみる貯まる魔法のレッスン88』（マガジンハウス）、『貯金ゼロ借金200万円！ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』（小学館）など。
オフィシャルサイト http://yokohanawa.com/

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