高齢者の排泄ケア~準備~ | 高齢者の排泄ケア【1】

【執筆】

山本君子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)

 

【制作協力】

堀内悠香子(株式会社ユニチャーム 営業本部 プロケア営業 首都圏第1支店 東京エリア コーディネーター)

 

「高齢者の排泄ケア(陰部洗浄・おむつ交換)」の目的

●陰部は、尿や便、生殖器からの分泌物などによって汚染されやすいため汚れを取り除く
●特におむつを装着している高齢者の場合は、陰部の清潔を保持することで尿路感染症や皮膚トラブル(褥瘡)の予防が期待できる

 

「高齢者の排泄ケア(陰部洗浄・おむつ交換)」の適応

●おむつを装着し入浴できない場合は、1日1回は陰部洗浄とおむつ交換を行うことで爽快感を与えることが出来る
●皮膚の状態を観察する機会になる

 

「高齢者の排泄ケア(陰部洗浄・おむつ交換)」の禁忌

●高齢者の皮膚は、加齢によりコラーゲンや脂肪組織、皮膚腺などの減少により、弾力性が減少し皺が増え、乾燥しやすい状態である。このような皮膚は、刺激に対して敏感であるため洗浄時に強すぎる摩擦は禁忌である
●高齢者は温度感覚が低下しているため、洗浄時の湯の温度は38℃前後程度とし熱傷に十分注意する

 

「高齢者の排泄ケア(陰部洗浄・おむつ交換)」の必要物品

ガーゼ(4~5枚)または綿・綿毛布 防水シート 陰部洗浄タオル(1枚) ディスポーザブル手袋(3枚) バスタオル

陰部洗浄容器 交換用テープ付きおむつ 保湿クリーム 尿とりパッド ビニール袋 小(1枚) 液状の石けん

  • ガーゼ(4~5枚)または綿・綿毛布
  • 防水シート
  • 陰部洗浄タオル(1枚)
  • ディスポーザブル手袋(3枚)
  • バスタオル
  • 陰部洗浄容器
  • 交換用テープ付きおむつ
  • 保湿クリーム
  • 尿とりパッド
  • ビニール袋 小(1枚)
  • 液状の石けん

 

「高齢者の排泄ケア(陰部洗浄・おむつ交換)」の準備

(1)患者さんに同意を得る

 

(2)室温を23~25℃程度に設定する

 

(3)カーテンを閉める

 

(4)上半身を少し挙上する

 

【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)

【引用・参考文献】

(1)岡田淳子(著):学ぶ・試す・調べる 看護ケアの根拠と技術,医歯薬出版,2014:75-76.
(2)小林陽子(著):写真でわかる高齢者ケア,インターメディカ,2011:85-93.
(3)谷口好美(著):根拠と事故防止からみた 老年看護技術,医学書院,2012:252-257

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