スライディングボード | ストレッチャーの移乗・移送【2】
【監修】
筑波大学附属病院 看護部
小山記念病院 看護部
移乗前の準備:注意点
(1)患者さんにストレッチャーへ移乗することを説明する
⇒「どこへ」「何をしに行くのか」を明確に説明し、患者さんに不安や恐怖を感じさせないように留意する
(2)ストレッチャーの高さをベッド面に合わせる
(3)移乗中の転落防止のため、ベッドのストッパーを必ず掛ける
スライディングボードを使った移乗の流れ
(1)ベッド側の看護師が患者さんを、移乗する反対の向きに側臥位にする
(2)ストレッチャー側の看護師がスライディングボードを差し込む
(3)患者さんを仰臥位に戻す
■患者さんの仰臥位に戻すときのポイント■
・最低でも患者さんの体の半分から3分の2程度がスライディングボードに乗るようにする
・両足は必ずスライディングボードに乗せるようにする
(4)ストレッチャーをベッドに寄せ、キャスターのブレーキを掛ける
■ポイント■
ベッドとストレッチャーの段差ができないように、高さを調節すると、移乗がスムーズに実施できる
(5)ストレッチャー側の看護師が、体を引き寄せ、ベッド側の看護師が、体を押し出してストレッチャーへ移乗する
■ポイント■
このとき、両脚を広げて支持基底面を広くすると、小さい力で作業できるので、腰痛を予防する事ができる
(6)ストレッチャーの側板を上げ、転落防止のため安全ベルトを着ける
⇒患者さんには転落防止のため安全ベルトを装着することを説明し、了承を得てから着用するようにする
■まとめ:移乗中・移送中の注意点■
●患者さんの安全の確保
・ストレッチャーの側板の確認
・安全ベルトの装着
・スピードや方向転換に注意
●患者の容態の変化を常に観察