洞不全症候群(SSS)

 

『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』より転載。
今回は洞不全症候群(SSS)について解説します。

 

渡辺朋美
新東京病院看護部

 

〈目次〉

 

 

洞不全症候群(SSS)はどんな疾患?

洞不全症候群(sick sinus syndrome;SSS)は、洞結節における自動能の低下または洞房伝導の障害によって生じる徐脈性不整脈です。I型、II型、III型に分けられます(図1)。

 

図1洞不全症候群(SSS)の心電図波形

洞不全症候群(SSS)の心電図波形

 

若年者や運動選手、夜間睡眠中は、迷走神経活動が優位なため、徐脈を起こすことが多いのですが、このような機能的徐脈は洞不全症候群とは呼びません。

 

 

患者さんはどんな状態?

一般的に、心停止時間が3~5秒前後であれば眩暈の症状が現れ、5~10秒前後になると失神、けいれんが現れるといわれています。

 

徐脈性不整脈の治療の要・不要は、自覚症状の有無によって決定されるので、症状の確認が重要です。

 

 

どんな治療を行う?

無症状の洞不全症候群は治療不要です。症状のある洞不全症候群はペースメーカ植込みの適応となります。

 


文献

  • 1)百村伸一編:心臓病の治療と看護 (NURSING̶Cure and Care Series).南江堂,東京,2006.
  • 2)医療情報科学研究所編:year note 2019.メディックメディア,東京,2018.
  • 3)大八木秀和:まるごと図解 循環器疾患.照林社,東京,2013.

 


本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社

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